[結果発表] 第二回イクボス充実度アンケート調査

【イキマネコラムvol.65】女性のWell-beingに対して上司がとるべき態度

[公開日] [最終更新日]2022/05/15

『イキマネ』とは、女性が「イキイキ」「活きる」マネジメントのこと。
組織の中で女性本来の良さが発揮できるマネジメントを目指すこの手法について、ハピレボプロデューサーであり、株式会社オフィスat 専務取締役の阿部博美氏による連載記事を配信します。
(※)このコラムでは、イクボスを推進するプロジェクトメンバーによる寄稿記事を配信しています(記事一覧)。

 




先日ある団体で、女性のWell-beingへの理解を深めようという研修を担当させていただきました。その時に、男性からこんな質問がありました。

「実態は理解するようにこれからも努力する。ただ、じゃあ現場でどんな風に女性社員と接したらいいのか?どこまで踏み込んで話をしていいのか?」というものでした。

そこが一番心配なところですよね。そこで解説した内容をこちらでもお伝えしましょう。

まず前提として、女性のWell-beingが企業や社会にとって重要という所は改めて押さえておいてください。


出典元リンク「スマルナ for Biz

🔗参照:【イキマネコラムvol.52】女性の健康課題に対する社会の経済的負担は6,828億円

部下のマネジメントとして、まずは以下の5つを心に留めておくといいかと思います。

①パフォーマンスが落ちている理由を想像するクセをつける

いつもと違って不機嫌な態度を取ったり、パフォーマンスが落ちていたりした時に「もしかするとPMSでは?」と想像するクセをつけてください。自分の頭で想像する選択肢の中に、常に「女性特有の健康課題」が上がってくるようになるには訓練が必要です。ここでは想像するだけでいいです。直接「PMSなのか?」と聞くのは絶対にNGです。

②気遣いはダイレクトではなく女性を挟んで

もし、何か配慮が必要ではないかと思った時は、直接本人に問いかけるのではなく他の女性を通して聞いてみてください。そのようなことが繰り返される中で、女性たちの中に「上司は理解してくれている」という意識が備わっていきます。


出典元リンク「女性特有の健康課題、女性が上司や会社に望んでいることは?(マイナビニュース)

③会議は最低でも1時間経ったら休憩を

生理中の女性は、いつトイレに行くことができるかと冷や冷やしています。最低でも1時間に1度は休憩を挟んでください。そんなことは遠慮せずにいつでも自由に行っていいぞ、と言いたいかもしれませんが、一人で何度も席を立つことを知られたくない女性もいますので、そこは全体休憩にしてください。

④日ごろから対話を心がけ、いつでも相談できる雰囲気を

これは身体的なことに限りません。日々対話していれば不調にも気づきやすくなりますし、相談できる雰囲気があれば、心理的安全性にも繋がり仕事のパフォーマンスも高くなります。

⑤病院への通院や体調不良の休みなどに快く応じる

間違っても「怠けているんじゃないか」とか「仮病では?」などと勘繰るのはやめてください。しっかり休んでしっかり働く、が基本です。体調が悪い時に気遣ったもらえた人は、健康な時にはそれ以上のパフォーマンスを出そうと頑張るものです。

女性特有の健康課題に絡んで思うことや会社側に望むことを聞くと、「もっと会社側に女性特有の健康課題についての関心を高めてほしい」では72.3%、「体調がすぐれない時に、男性上司に相談する以外の仕組みを設けてほしい」では68.2%が「あてはまる」と回答した。

また「女性管理職が増えれば、女性特有の健康課題について相談しやすくなる」では58.0%、「女性特有の健康課題についてのセミナーや研修会を開催してほしい」では55.9%が「あてはまる」と答えた。回答者からは、「管理職に限らず男性社員全般に望む事ですが、余計な事は言わないでほしい。生理だから〇〇とか更年期だから〇〇という風に相手(女性側)が悪いような発言をやめてほしい。興味本位な発言もやめてほしい」(20代)などの声が寄せられた。
(出典元リンク 図2と同じ)

 

最も大事なのは相手を理解しようとする姿勢です。不安は無知から生まれますから。そのうえで、特別扱いするなどではなく、自然と相手を思いやれる関係が作れるといいですね。

 

👉今回のPOINT

1.5つのポイントを頭に入れておく
2.正しく理解することで自然と相手を思いやれる関係性を構築
3.全社的には、女性管理職の増加や理解への教育研修が必要

 

 

このコラムでは、組織の中で起きがちなミスコミュニケーションを軸に、様々なポイントやコツをお伝えします。ぜひ違いを知って、新しい視点を楽しんでみてください。

そして、女性たちが存分に能力を発揮でき頼もしい戦力となることで、力強い組織となるためのサポートとなればと思います。

 




<阿部博美・プロフィール>

阿部博美
株式会社オフィスat 専務取締役/ハピレボプロデューサー。産業カウンセラー、キャリアコンサルタント。

自称「女ゴコロ翻訳家」。男女の本能からくる意識や行動の違いを、様々な具体的場面に落とし込み、お互いの理解を深め相乗効果を上げることを目指す。企業活動の中では、女性客の本音を翻訳しマーケティング設計に繋げ、組織の中では、お互いの強みを活かし合える風土づくりに繋げている。
現在、女性目線を専門とするマーケティング会社を経営。商品やサービスについてはもちろん、近年は採用ブランディングや女性活躍推進の相談を多く受けている。それらの中で、女性社員や外部の主婦など、女性チームをマネジメントする場も多い。新卒から15年間携わった人材派遣業界での女性マネジメントや、派遣先企業と派遣スタッフとの間での翻訳経験が非常に役立っている。