[結果発表] 第二回イクボス充実度アンケート調査

【イキマネコラムvol.52】女性の健康課題に対する社会の経済的負担は6,828億円

[公開日] [最終更新日]2021/10/28

『イキマネ』とは、女性が「イキイキ」「活きる」マネジメントのこと。
組織の中で女性本来の良さが発揮できるマネジメントを目指すこの手法について、ハピレボプロデューサーであり、株式会社オフィスat 専務取締役の阿部博美氏による連載記事を配信します。
(※)このコラムでは、イクボスを推進するプロジェクトメンバーによる寄稿記事を配信しています(記事一覧)。

 




経済産業省が2019年3月に発表した調査では、月経随伴症状(腹痛、腰痛、眠気、イライラ、便秘など)による1年間の社会的負担は6,828億円、そのうち労働損失(会社を休む、労働量や質の低下)は72%を占め、4,911億円にも及ぶということが分かりました。

(出典:スマルナ for Biz


女性にイキイキと働いてもらうためにも、「健康経営」の一環として女性の健康課題に対応し働きやすい環境を整えることで、生産性向上や業績向上に結び付くと考えられます。

ただし、これまで女性たちが口をつぐんでいたこともあり、男性管理職の70%はこの課題に気づいていませんでした。また、不調を訴える女性の対応に困った経験を持つ人も、その多くがメンタルヘルスによるものだと勘違いしています。


ちなみに、このリテラシーの低さは男性や管理職だけでなく、女性自身にも当てはまります。女性たち自身そもそもあまり教育を受けていないため知識が少なく、また人と比較することもないために、その多くが我慢をしてやり過ごしているのが実情です。

日本医療政策機構(HGPI)は、ヘルスリテラシーの高い女性の方が仕事のパフォーマンスが高いという調査結果を発表していて、企業の生産性において女性の健康リテラシーが重要であることが示されています。

成功事例として、1年間啓発活動を実施した結果、月経痛有症者の仕事への支障が12.3%減り、欠勤率も7.5%改善したという報告があります。(ミュゼプラチナム×JECIE『女性活躍・健康経営プロジェクト』)

併せて、女性たちが職場で諦めなくてすむような対応策が求められています。


以前書いたこちらも併せてお読みください。

🔗参照:【イキマネコラムvol.25】女性は制御不能なPMS爆弾を抱えていることを正しく知ってほしい

 

👉今回のPOINT

1. 今後、健康経営の質を高めるためには女性の健康についてが重要
2. 女性特有課題による1年間の労働損失は約5000億円
3. ヘルスリテラシーの高い女性の方が仕事のパフォーマンスが高い

 

 

このコラムでは、組織の中で起きがちなミスコミュニケーションを軸に、様々なポイントやコツをお伝えします。ぜひ違いを知って、新しい視点を楽しんでみてください。

そして、女性たちが存分に能力を発揮でき頼もしい戦力となることで、力強い組織となるためのサポートとなればと思います。

 




<阿部博美・プロフィール>

阿部博美
株式会社オフィスat 専務取締役/ハピレボプロデューサー。産業カウンセラー、キャリアコンサルタント。

自称「女ゴコロ翻訳家」。男女の本能からくる意識や行動の違いを、様々な具体的場面に落とし込み、お互いの理解を深め相乗効果を上げることを目指す。企業活動の中では、女性客の本音を翻訳しマーケティング設計に繋げ、組織の中では、お互いの強みを活かし合える風土づくりに繋げている。
現在、女性目線を専門とするマーケティング会社を経営。商品やサービスについてはもちろん、近年は採用ブランディングや女性活躍推進の相談を多く受けている。それらの中で、女性社員や外部の主婦など、女性チームをマネジメントする場も多い。新卒から15年間携わった人材派遣業界での女性マネジメントや、派遣先企業と派遣スタッフとの間での翻訳経験が非常に役立っている。