[結果発表] 第二回イクボス充実度アンケート調査

【イキマネコラムvol.66】女性をその気にさせる4つのステップ

[公開日] [最終更新日]2022/05/26

『イキマネ』とは、女性が「イキイキ」「活きる」マネジメントのこと。
組織の中で女性本来の良さが発揮できるマネジメントを目指すこの手法について、ハピレボプロデューサーであり、株式会社オフィスat 専務取締役の阿部博美氏による連載記事を配信します。
(※)このコラムでは、イクボスを推進するプロジェクトメンバーによる寄稿記事を配信しています(記事一覧)。

 




女性はとにかく不安症が強く、転ばぬ先の杖を求めることが多いです。それは身体的に力が弱いため、危険回避のためには最初からそこに近づかないという本能的なものからきています。何かの役回りをお願いした時、つい尻込みしがちなのはそのせいです。ところが、最初に少しだけ手間をかけて不安を取り除けば、驚くほどイキイキとしてくる姿を何度も見てきました。そのコツを今日はお伝えします。

①具体的にはっきりと

まずは明確に「○○をお願いしたい」と伝えましょう。不安がらせないためにと色々と周辺情報から説明すると、「徐々に囲い込まれる恐怖」が広がるようで逆効果です。

②その理由

「なぜ私なのか」が腑に落ちないとテコでも動かないのが女性です。依頼された時「え?なんで私なの?」という疑問が頭に浮かびますから、すかさず理由を説明しましょう。その時に「いつも頑張ってるから」などボンヤリした説明では納得できません。「△△の時にしっかり資料を作ってくれたことを評価している」など「あなたである必要性」を具体的に伝えられるとベストです。
さらには「あなたならきっと××のような○○になれると思うから大丈夫」と自信を持たせる言葉をかけてあげましょう。そんな風に自分のことをちゃんと見てくれて評価してくれているんだなという安心感が芽生えます。

③意思確認と質疑応答

忘れてはならないのは本人の意思確認です。間違っても「ということだから、明日からお願いね」などと言い切ってはいけません。「あなたはどう思う?」と本人がどう思っているのかを必ず確認しましょう。そうするだけで「もしイヤだったら断ってもいいんだよ」という逃げ道が見えて安心するのです。そして必ず本人の口から「やってみます」という言葉を発してもらいます。自ら選び取ることも大切なことで、その後の責任感が大きく芽生えます。

もちろんその中で疑問に思うことも色々あると思います。それについてはひとつずつ丁寧に説明をし、要らぬ不安を抱えたままにならないよう配慮しましょう。

④バックアップ体制

開始後に何か困ったことがあったら、いつでもバックアップするという姿勢を伝えることも大事です。これこそ転ばぬ先の杖です。安心材料が揃いさえすれば、びっくりするくらい大胆で積極的になれるのも女性の特性です。

いかがでしょうか。これはマーケティングで言うところの「カスタマージャーニー」と同じ。顧客の行動を予測してそのための対策を取るという手法ですが、部下の思考を予測しながら先手を打つことで上手く行く事例です。

これは管理職打診などの場合にも使えます。
男性であれば、その依頼を受けることでのベネフィット(給与増、地位や名誉)を見せるだけで喜んで受けてくれることが多いのですが、女性にその手はあまり効きません。「なぜ私なのか」という自分中心の答えがみつからないと動けないからです。

「手間がかかってめんどう」に見えますが、実は全体の手間は変わりません。最初に手間がかかるか、途中で手間がかかるかの違いだけです。めんどうさえ通り越せば、意外と根性がすわって頑張れるのが女性だったりします。

ちなみに先日、この4ステップを使って主婦の採用が上手くいった事例がありました。彼女たちの不安感は、他と比べ物にならないくらい大きなものがありますが、それでもひとつずつ丁寧にステップを踏んでいくと、見違えるほどイキイキとしてくるのですから驚きます。

 

👉今回のPOINT

1.4つのポイントを頭に入れておく
2.命令ではなく本人の意思を尊重するコーチング
3.最初の手間を惜しまなければ後がラク

 

 

このコラムでは、組織の中で起きがちなミスコミュニケーションを軸に、様々なポイントやコツをお伝えします。ぜひ違いを知って、新しい視点を楽しんでみてください。

そして、女性たちが存分に能力を発揮でき頼もしい戦力となることで、力強い組織となるためのサポートとなればと思います。

 




<阿部博美・プロフィール>

阿部博美
株式会社オフィスat 専務取締役/ハピレボプロデューサー。産業カウンセラー、キャリアコンサルタント。

自称「女ゴコロ翻訳家」。男女の本能からくる意識や行動の違いを、様々な具体的場面に落とし込み、お互いの理解を深め相乗効果を上げることを目指す。企業活動の中では、女性客の本音を翻訳しマーケティング設計に繋げ、組織の中では、お互いの強みを活かし合える風土づくりに繋げている。
現在、女性目線を専門とするマーケティング会社を経営。商品やサービスについてはもちろん、近年は採用ブランディングや女性活躍推進の相談を多く受けている。それらの中で、女性社員や外部の主婦など、女性チームをマネジメントする場も多い。新卒から15年間携わった人材派遣業界での女性マネジメントや、派遣先企業と派遣スタッフとの間での翻訳経験が非常に役立っている。