[結果発表] 第二回イクボス充実度アンケート調査

【イキマネコラムvol.48】女性同士のトラブル解決のコツ

[公開日] [最終更新日]2021/08/12

『イキマネ』とは、女性が「イキイキ」「活きる」マネジメントのこと。
組織の中で女性本来の良さが発揮できるマネジメントを目指すこの手法について、ハピレボプロデューサーであり、株式会社オフィスat 専務取締役の阿部博美氏による連載記事を配信します。
(※)このコラムでは、イクボスを推進するプロジェクトメンバーによる寄稿記事を配信しています(記事一覧)。

 




先日、ある企業の課長から相談を受けました。

自分が異動したばかりの部署に、もうすぐ育休復帰をしてくる女性Aさんがいる。実はAさんが休む前に、独身女性のBさんと仕事のやり方についてトラブルがあっていた。未解決のままAさんは育休に入ってしまったのだが、もうすぐそのAさんが復帰してくるというので、戦々恐々としている。同じ部署に復帰させずに異動させろという声も出ているが、どうしようか迷っている。

自分のあずかり知らないところで起きたことに対処しないといけないので大変ですね。でも逆に言えば、下手に当時を知らないので客観的に対応できることがメリットだと捉えましょう。ここで大切なことは2つ。ひとつは、Aさんの気持ちを確認せずに異動させるのはNG、もうひとつは3人で事実を確認することです。

 

まずはAさんと復帰前にしっかり面談をしましょう。本人がどのような働き方をしたいのか、きちんと意思を確認することで『マミートラック』を防げます。

🔗参照【イキマネコラムvol.24】マミートラックにご注意を

そこでBさんとの話も出るかも知れません。それについての事実確認と、さらに本人の考えもきちんと聞きましょう。ここではアドバイスや提案は必要ありません。まずは全部吐き出させて受け止めるだけです(傾聴と受容)。もちろんBさんとも同じように面談してください。

その後で、3人で話し合うといいと思います。この話し合いは、当時の事実確認と(新任なので教えてくれという態度で)今後の最善策についての協議です。アドバイスや提案はこの時に話してください。

なぜ3人一緒なのか。女性は上司に『フェアとケア』を求めます。上司がAさんとBさんに本当に同じ話をしているのか、公平に扱っているかについて疑われないためです。また、AさんとBさんの言い分が食い違っていないかを、目の前で確認するためでもあります(伝聞は危険)。

🔗参照【イキマネコラムvol.7】フェアとケアがとても重要

 

結局この件は、大きなトラブルもなくAさんとBさんは同じ部署で働き始めました。案ずるより産むがやすしとはこのことです。

勝因は上記の対応をしたこと以外にも実はありました。それは、まず時間の経過。事件からすでに1年が経過していて、お互いが自身の考えを深めたこと。「女心と秋の空」と言いますが、女性は気持ちがどんどん変化します(ホルモンのせいもあります)。男性ほどメンツにこだわりませんので、前言撤回できるのは女性の利点でもあります。

もうひとつ、Bさんの結婚が決まったことです。実はトラブルの原因はAさんの「時短」に絡んだものでした。当時独身だったBさんも、自身の結婚後のキャリアに考えが及んだ時に、Aさんへの理解も深まったと思われます。

 

上司にしてみれば「おいおい、勘弁してくれよ」という思いでしょうが、ここでもうひとつ考えてください。そのトラブルが起きたそもそもの原因について。

結婚や出産・育児の悩みについて男性が理解できないのと同じように、いくら女性であっても未経験者には理解できないのは同じです。Aさんに限らず、仕事以外の話をこれまでオープンにしてこなかったことがトラブルの原因ではないでしょうか。職場の雰囲気がオープンでないために、マイノリティに対して我慢を強いる、それが問題を見えにくくしさらに理解を得にくくする、そんなスパイラルに陥っていたのではないでしょうか。

人は知らないことに対して警戒心を抱き攻撃性を持ちますが、理解が深まるほど親しみは湧くものです(『ザイアンスの法則』)。

 

共働き世帯は増加の一途で、子育てしながら働く人は増え続けます。しかもそれだけではなく、超高齢化社会の中で介護を担う社員も増えていきます。誰もが何かしら制約を抱えていることをデフォルトに置き、お互いにカバーし合える優しい社会にしていきましょう。

 

👉今回のPOINT

1. 『フェアとケア』公平性を疑われないよう同時に話す
2. プライベートもオープンにできる職場づくりを
3. 誰もが何かしら制約を抱えて働いていることをデフォルトに考えよう

 

 

このコラムでは、組織の中で起きがちなミスコミュニケーションを軸に、様々なポイントやコツをお伝えします。ぜひ違いを知って、新しい視点を楽しんでみてください。

そして、女性たちが存分に能力を発揮でき頼もしい戦力となることで、力強い組織となるためのサポートとなればと思います。

 




<阿部博美・プロフィール>

阿部博美
株式会社オフィスat 専務取締役/ハピレボプロデューサー。産業カウンセラー、キャリアコンサルタント。

自称「女ゴコロ翻訳家」。男女の本能からくる意識や行動の違いを、様々な具体的場面に落とし込み、お互いの理解を深め相乗効果を上げることを目指す。企業活動の中では、女性客の本音を翻訳しマーケティング設計に繋げ、組織の中では、お互いの強みを活かし合える風土づくりに繋げている。
現在、女性目線を専門とするマーケティング会社を経営。商品やサービスについてはもちろん、近年は採用ブランディングや女性活躍推進の相談を多く受けている。それらの中で、女性社員や外部の主婦など、女性チームをマネジメントする場も多い。新卒から15年間携わった人材派遣業界での女性マネジメントや、派遣先企業と派遣スタッフとの間での翻訳経験が非常に役立っている。