[結果発表] 第二回イクボス充実度アンケート調査

【イキマネコラムvol.69】読者からの質問「どうまめとると成果の出るチームになるのか?」

[公開日] [最終更新日]2022/08/25

『イキマネ』とは、女性が「イキイキ」「活きる」マネジメントのこと。
組織の中で女性本来の良さが発揮できるマネジメントを目指すこの手法について、ハピレボプロデューサーであり、株式会社オフィスat 専務取締役の阿部博美氏による連載記事を配信します。
(※)このコラムでは、イクボスを推進するプロジェクトメンバーによる寄稿記事を配信しています(記事一覧)。

 




前回に引き続き、読者の方からご質問いただいています。今回もその質問に具体的にお答えしたいと思います。

管理者として、最近よく思うのは、職場のダイバーシティ(子育て、鬱などの病気、介護、早く帰りたい若者)をどうまとめあげれば、成果の出るチームになるのかということです。うちの職場では「残業OK」という職員は少なく、またメンタル抱えてる人が課に一人はいるというのが当たり前になってきて、ダイバーシティマネジメントの重要性をひしひしと感じています。

 

様々な方がいらっしゃる職場のようで、マネジメントする側としては大変なのでしょうか。でも、私には素晴らしい成果が出せるチームのようでワクワクして見えます。

最初に「ダイバーシティマネジメント」についてお話しします。

まずは「マネジメントしないといけない」という呪縛から離れてみてはいかがでしょうか。何かひとつの型にはめて管理しようとするから苦しいのであって、様々な人の状況に合わせて柔軟に対処する、と視点を変えることから始めませんか。

「多様な人たちを、ひとつの形にまとめあげなければ」と考えすぎるとお互いが苦しくなります。決められた箱に押し込むのではなく、はみ出てゴツゴツとなった形でOKなんだと視点を変えるだけで、心はグンと軽くなります。ギューギューと固めたおにぎりよりも、ホロホロと崩れていくおにぎりの方が美味しいですよね。

ただ、その時に最も重要なのが「相手を理解すること」で、そのためには「対話」が必要です。

子育て中の女性はどんな時間の使い方をしているのか、介護の方はどうなのか、鬱の方は何を欲しているのか、若者は早く帰って何をしているのか、などなど、それぞれの事情も把握しておくことは必要です。

そんなプライベートなことまで聞いていいのか、と思うかも知れません。が、その人の価値観を理解するには、そのベースにある生活や思想、抱えている問題などを知っておかないと、配慮することもできません。もちろんそれを開示してくれる雰囲気を日ごろから作っておくことも大切です。

ある会社では「雑談朝礼」といって、グループごとの朝礼で仕事以外の雑談を発表し合い、対話に慣れる訓練をしています。「育児インターン」と称して、育児期の社員の自宅についていって、夕飯を食べて子どもを寝かしつけるまでの生活を観察する研修、などをやっているところもあるほどです。

お互いに歩み寄って開示し合い、最大の効果が出る点を一緒に探り当てる、これがダイバーシティマネジメントです。

そして「成果の出るチームになる」のにも、この対話が重要です。つまり、ダイバーシティマネジメントができれば成果を出せる組織になっていくのです。それについては以前書いた記事に詳しく書いています。

🔗参照:【イキマネコラムvol.62】イノベーションの起きる組織と女性が活躍している組織とは相関関係がある

 

これまでの昭和型企業にありがちなのがモノクロの世界です。似たような価値観の人がズラリと並ぶため、少しの違いに目が行き、比較し、マウント合戦になりがちです。似たような意見しか出てこないので新しいアイディアは湧きにくく、今の時代には力が発揮しにくいのです。

が、ご相談者の会社のように多様性に満ちていると、そもそも最初から違っているために比較できません。いろんな価値観が混ざり合い、多様性を受け入れることに柔軟になります。いろんな視点で物事を考かられるようになり、様々なアイディアが生まれることでしょう。

ぜひひとりひとりの声に耳を傾け、多様性を楽しんでください。

 

👉今回のPOINT

1. ダイバーシティマネジメントとは、ホロホロと崩れるおにぎり
2. 相手を理解するために「対話」することが最も重要
3. 対話のある組織は質のよい成果が出せる組織になる

 

 

このコラムでは、組織の中で起きがちなミスコミュニケーションを軸に、様々なポイントやコツをお伝えします。ぜひ違いを知って、新しい視点を楽しんでみてください。

そして、女性たちが存分に能力を発揮でき頼もしい戦力となることで、力強い組織となるためのサポートとなればと思います。

 




<阿部博美・プロフィール>

阿部博美
株式会社オフィスat 専務取締役/ハピレボプロデューサー。産業カウンセラー、キャリアコンサルタント。

自称「女ゴコロ翻訳家」。男女の本能からくる意識や行動の違いを、様々な具体的場面に落とし込み、お互いの理解を深め相乗効果を上げることを目指す。企業活動の中では、女性客の本音を翻訳しマーケティング設計に繋げ、組織の中では、お互いの強みを活かし合える風土づくりに繋げている。
現在、女性目線を専門とするマーケティング会社を経営。商品やサービスについてはもちろん、近年は採用ブランディングや女性活躍推進の相談を多く受けている。それらの中で、女性社員や外部の主婦など、女性チームをマネジメントする場も多い。新卒から15年間携わった人材派遣業界での女性マネジメントや、派遣先企業と派遣スタッフとの間での翻訳経験が非常に役立っている。