[結果発表] 第二回イクボス充実度アンケート調査

【イキマネコラムvol.40】子育て期の女性に仕事をさせると、クオリティが落ちるのはやむを得ない?

[公開日] [最終更新日]2021/04/22

『イキマネ』とは、女性が「イキイキ」「活きる」マネジメントのこと。
組織の中で女性本来の良さが発揮できるマネジメントを目指すこの手法について、ハピレボプロデューサーであり、株式会社オフィスat 専務取締役の阿部博美氏による連載記事を配信します。
(※)このコラムでは、イクボスを推進するプロジェクトメンバーによる寄稿記事を配信しています(記事一覧)。

 




「彼女は小さい子どもがいて公私ともに忙しそうだから、仕事のアウトプットの質が落ちても仕方ないよね」
こちらも、よくありがちなアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)の例です。

「だからあまり責任のある仕事は任せられないな」と続きます。
育児休業から復帰したワーキングマザーに責任の重い仕事をさせない、責任の軽い職務に配置転換するといったケースはよくあります。

こういう仕事のアサインや人事が行われる背景には、前号でお伝えした「パターナリズム」があります。

🔗【イキマネコラムvol.39】小さい子どものいる女性に出張させるのはかわいそう?

また一方で、「仕事の質は、その仕事にかけた時間に比例する」という考え方に囚われていないでしょうか。仕事の評価は、かけた時間ではなく、あくまでも質によってなされるべきではないでしょうか。その原則は、たとえは時短勤務の女性であっても同じです。違うのは質ではなく量であるべきです。

女性活躍が進んでいる企業には、短時間勤務の女性が管理職になってるい場合は多々あります。その女性たちに聞いてみると、部下だった時よりも管理職になった方が仕事がやりやすいと言います。

それはズバリ「裁量権」が持てることです。一人の部下として働いている時は、担っている仕事の調整ができずにパンクしそうになることもありますが、管理職となって仕事をうまくメンバーに割り振り、全体のマネジメントに徹すると、時短であることのデメリットを感じないのだそうです。

また、このような管理職がいると、チーム内ではお互い様の関係づくりができ、子育て中の社員だけでなく、それ以外の社員の体調不良や介護など、いろいろな場面でカバーし合えるようになります。何か起きても、業務に支障をきたすことなくパフォーマンスが発揮できる、そんな強いチーム作りができるようになるのです。

 

👉今回のPOINT

1.「仕事の質」は「その仕事にかけた時間」に比例するとは限らない
2. 育児期女性の仕事のクオリティが低いとはアンコンシャスバイアスだ
3. 制約のある管理職がいるチームほど強いチームになる

 

 

このコラムでは、組織の中で起きがちなミスコミュニケーションを軸に、様々なポイントやコツをお伝えします。ぜひ違いを知って、新しい視点を楽しんでみてください。

そして、女性たちが存分に能力を発揮でき頼もしい戦力となることで、力強い組織となるためのサポートとなればと思います。

 




<阿部博美・プロフィール>

阿部博美
株式会社オフィスat 専務取締役/ハピレボプロデューサー。産業カウンセラー、キャリアコンサルタント。

自称「女ゴコロ翻訳家」。男女の本能からくる意識や行動の違いを、様々な具体的場面に落とし込み、お互いの理解を深め相乗効果を上げることを目指す。企業活動の中では、女性客の本音を翻訳しマーケティング設計に繋げ、組織の中では、お互いの強みを活かし合える風土づくりに繋げている。
現在、女性目線を専門とするマーケティング会社を経営。商品やサービスについてはもちろん、近年は採用ブランディングや女性活躍推進の相談を多く受けている。それらの中で、女性社員や外部の主婦など、女性チームをマネジメントする場も多い。新卒から15年間携わった人材派遣業界での女性マネジメントや、派遣先企業と派遣スタッフとの間での翻訳経験が非常に役立っている。