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【イキマネコラムvol.39】小さい子どものいる女性に出張させるのはかわいそう?

[公開日] [最終更新日]2021/03/11

【イキマネコラムvol.39】小さい子どものいる女性に出張させるのはかわいそう?

『イキマネ』とは、女性が「イキイキ」「活きる」マネジメントのこと。
組織の中で女性本来の良さが発揮できるマネジメントを目指すこの手法について、ハピレボプロデューサーであり、株式会社オフィスat 専務取締役の阿部博美氏による連載記事を配信します。
(※)このコラムでは、イクボスを推進するプロジェクトメンバーによる寄稿記事を配信しています(記事一覧)。

 




「彼女は小さい子どもかいるから出張はかわいそうだろう、別の人に行かせよう」
よくありがちなアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)の例です。

一見ワーキングマザーに対する優しさのように思えますが、彼女が本当にそのような配慮を望んでいるのか確認したことはありますか?自分の担当業務であれば「当然自分が行くべき」「家族の協力を得て何とかする」と考える女性は多くいます。

上司に決して悪気はないのですが、よかれと思っての行動には『パターナリズム』が現れています。パターナリズムとは、強い立場にある者が、弱い立場にある者の利益のためだとして、本人の意志は問わずに介入・干渉・支援することをいいます。親が子どものためによかれと思ってすることから来ている言葉です。

たとえ「よかれと思った」善意の行動だったとしても、本人にとっては「ありがた迷惑」かも知れず、もしそうであればモチベーションが下がり、また成長の機会を奪ってしまいます。一方的な思い込みを捨てて、きちんと本人の意思を確認することが何より大切です。

実例を2つご紹介します。

ひとつ目は、私が危うく失敗しそうになった事例です。県外への出張、しかも日曜日の仕事だったため、担当の女性に依頼するのをやめようかと考えたのです。それはアンコンシャスバイアスだと自分で気づいた私は、念のため彼女に確認してみたところ、二つ返事で「行きます!」と言われたのです。日曜日なら夫の仕事が休みなので預けられると。週末は家族そろって過ごしたいのではないかと思うのは、私の勝手な思い込みでした。
次の日彼女は晴れ晴れとした顔でこう言いました。「久しぶりに一人の時間を満喫しました。小旅行のようでリフレッシュできました!」

もうひとつは友人の事例です。

乳飲み子を抱えた彼女に出張の打診があった時は、さすがに一瞬迷ったと言います。それでも重要な会議にどうしても行きたいと考えた彼女は、なんと出張先に子どもを連れて行きました。実家に預けようかと思ったのですが、まだ乳飲み子ですから気になって仕事に集中できないと考えたそうです。

けれども仕事先に連れて行ったわけではありません。出張先の近くの託児所を探してそこに預けたのです。それなら万が一何かあった時にもすぐに駆け付けられます。でも、彼女がもっとすごいのは、なんと実母も連れて行ったことです。万が一駆け付ける事態が起きた時には、まず自分ではなく実母に行ってもらうという予防線を張ることで、より仕事に集中しようと考えたのです。もちろん実母の旅費は自腹です。

いかがでしょうか、何とか仕事と両立させたいという涙ぐましい努力をご理解いただけましたでしょうか。この友人ほどではなくても、工夫を凝らして何とか仕事をこなしたいという、その機会を奪わないでいただきたいと思います。

 

👉今回のPOINT

1.「よかれと思った」ことが「ありがた迷惑」になっていないか?
2. 思い込みを捨てて本人の意思を確認する
3. パターナリズムでモチベーションを下げることがあることを知る

 

 

このコラムでは、組織の中で起きがちなミスコミュニケーションを軸に、様々なポイントやコツをお伝えします。ぜひ違いを知って、新しい視点を楽しんでみてください。

そして、女性たちが存分に能力を発揮でき頼もしい戦力となることで、力強い組織となるためのサポートとなればと思います。

 




<阿部博美・プロフィール>

阿部博美
株式会社オフィスat 専務取締役/ハピレボプロデューサー。産業カウンセラー、キャリアコンサルタント。

自称「女ゴコロ翻訳家」。男女の本能からくる意識や行動の違いを、様々な具体的場面に落とし込み、お互いの理解を深め相乗効果を上げることを目指す。企業活動の中では、女性客の本音を翻訳しマーケティング設計に繋げ、組織の中では、お互いの強みを活かし合える風土づくりに繋げている。
現在、女性目線を専門とするマーケティング会社を経営。商品やサービスについてはもちろん、近年は採用ブランディングや女性活躍推進の相談を多く受けている。それらの中で、女性社員や外部の主婦など、女性チームをマネジメントする場も多い。新卒から15年間携わった人材派遣業界での女性マネジメントや、派遣先企業と派遣スタッフとの間での翻訳経験が非常に役立っている。