[結果発表] 第二回イクボス充実度アンケート調査

【イキマネコラムvol.59】私はマミートラックに該当すると感じている女性は46%

[公開日] [最終更新日]2022/02/10

『イキマネ』とは、女性が「イキイキ」「活きる」マネジメントのこと。
組織の中で女性本来の良さが発揮できるマネジメントを目指すこの手法について、ハピレボプロデューサーであり、株式会社オフィスat 専務取締役の阿部博美氏による連載記事を配信します。
(※)このコラムでは、イクボスを推進するプロジェクトメンバーによる寄稿記事を配信しています(記事一覧)。

 




マミートラックについてはこのコラムでも度々取り上げていますが、実態はまだまだ追いついていないようです。

このたび21世紀職業財団の調査で、26~40歳の子育て中の女性のうち約半数の46%が、仕事の難易度や責任の度合いが低くキャリアの展望もない、いわゆる「マミートラック」に該当すると感じていることがわかりました。

調査は2021年6月末にインターネットで実施。本人・配偶者とも26~40歳の正社員で子どもがいる人を対象にし、男性1912人、女性2194人の回答を分析したものです。

🔗【参照】『子どものいるミレニアル世代夫婦の キャリア意識に関する調査研究』

自分がマミートラックに該当すると考える女性は、一般職では50%を超え総合職でも約4割と高い水準になっています。


第一子出産後に仕事に復帰した際に「マミートラック」に入ったと感じ、かつ現在も「マミートラック」にいると回答した女性は7割で、一旦「マミートラック」に入るとなかなかそこから脱出するのは容易ではないことがわかります。一方で、第一子出産後に復帰した時に「仕事の難易度や責任の度合いが妊娠・出産前とあまり変わらず、キャリアの展望もあった」と回答した女性では、その8割が現在もそのままキャリア展望を持っています。

つまり、第一子出産後に仕事に復帰した際に、仕事の難易度や責任の度合いやキャリアの展望を低下・縮小させないことが、その後の女性のキャリア形成には極めて重要だということがわかります。


 

では、マミートラックを脱出できた人はどのような理由でしょうか。


上司との関りや働き方の変更、家事・育児負担を減らすことなど、それぞれに努力を重ねている姿が見えてきました。

インタビューより
入社数年で妊娠し、その後ローテーションから外されてしまいました。ずっとやりたいことができずに、この業界に入った意味あるのかな?と思いながら働いていました。その仕事をしていないのは同期で私だけ、というのがひっかかっていて、自ら異動したいと上司に相談しました。その職場に異動したときにとてもやりがいと喜びを感じました。その2年間はとても大きいです。自分で試行錯誤して結果が出たというのがすごくよかったと思います。それが今も大きな原動力になっています。

 

マミートラックに陥ることで不満が溜まることは、企業の生産性においても大変な損失です。一律な働き方ではなく、様々な働き方ができてすべての社員が能力を発揮できる組織になることを目指して、イクボスの皆さま頑張ってください。

 

👉今回のPOINT

1.一度マミートラックに陥るとなかなか抜け出せない
2.第一子出産後の復帰時にマミートラックに入らない取組みを
3.マミートラックから脱出させるには上司の声掛けも重要

 

 

このコラムでは、組織の中で起きがちなミスコミュニケーションを軸に、様々なポイントやコツをお伝えします。ぜひ違いを知って、新しい視点を楽しんでみてください。

そして、女性たちが存分に能力を発揮でき頼もしい戦力となることで、力強い組織となるためのサポートとなればと思います。

 




<阿部博美・プロフィール>

阿部博美
株式会社オフィスat 専務取締役/ハピレボプロデューサー。産業カウンセラー、キャリアコンサルタント。

自称「女ゴコロ翻訳家」。男女の本能からくる意識や行動の違いを、様々な具体的場面に落とし込み、お互いの理解を深め相乗効果を上げることを目指す。企業活動の中では、女性客の本音を翻訳しマーケティング設計に繋げ、組織の中では、お互いの強みを活かし合える風土づくりに繋げている。
現在、女性目線を専門とするマーケティング会社を経営。商品やサービスについてはもちろん、近年は採用ブランディングや女性活躍推進の相談を多く受けている。それらの中で、女性社員や外部の主婦など、女性チームをマネジメントする場も多い。新卒から15年間携わった人材派遣業界での女性マネジメントや、派遣先企業と派遣スタッフとの間での翻訳経験が非常に役立っている。