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【イキマネコラムvol.25】女性は制御不能なPMS爆弾を抱えていることを正しく知ってほしい

[公開日] [最終更新日]2020/07/09

【イキマネコラムvol.25】女性は制御不能なPMS爆弾を抱えていることを正しく知ってほしい

『イキマネ』とは、女性が「イキイキ」「活きる」マネジメントのこと。
組織の中で女性本来の良さが発揮できるマネジメントを目指すこの手法について、ハピレボプロデューサーであり、株式会社オフィスat 専務取締役の阿部博美氏による連載記事を配信します。
(※)このコラムでは、イクボスを推進するプロジェクトメンバーによる寄稿記事を配信しています(記事一覧)。

 




女性部下にいつもと同じように注意をしただけなのに、なぜか突然泣き出した、という経験はありませんか?

いつもは穏やかな女性が、急に感情的になって攻撃してきた、などもあるかも知れません。一度そういうことがあると、「だから女はわからん、扱いにくい」そう思ってしまうのも無理はありません。

いつもと違う態度であれば、それはPMS=月経前症候群かも知れません。今回はそれを正しく知ってください。

PMS(PreMenstrual Syndrome/月経前症候群)とは?

生理の前になると決まって不快な症状が現れ、日常生活にまで支障をきたすことをPMS(月経前症候群)といいます。多くの場合、生理が始まると症状が軽くなり消失するのが特徴です。
PMSの主な症状は、体の様々な不調と、イライラや情緒不安定、憂うつ感、注意力の低下、睡眠障害といった精神症状があります。
生理が始まる1週間前から症状が現れる人が多いのですが、2週間前から症状が現れる人、2、3日前に集中する人など個人差があります。

 

これは女性ホルモンのバランスが崩れることから起きます。詳しい原因は分かっていないことも多いのですが、ひどくなると治療が必要な場合もあります。

月経前不快気分障害(Premenstrual Dysphoric Disorder:PMDD)は、正常な月経前症候群(PMS)と比較して、より精神症状が重いものをいいます。

 

このPMMDはまだ新しい概念で、きっかけはなんと殺人事件。

1980年代に米国で女性が殺人事件を起こし、「生理前になると行動の制御がきかなくなってしまう」と訴え、それが認められ「月経前の身体と気分の障害」の研究が本格的に進められることとなったのだそうです。

まるで『狼男』のようですが笑えない話です。

 

PMSのたちが悪いのは、女性本人も気づきにくいことです。何しろ、生理が始まる前というのが分かりにくい。

女性の生理というのは規則正しい人は稀で、いつ来るのか分からないのに、さらにその1週間前だなんて本人は知る由もない。「もうすぐ生理かも」と2、3日前に身体が気づく時には、もう既にPMSでやらかした後だったりします。気をつけようがないのです。

 

そんなPMSですが、とにかくイライラします。自分でも気づかないうちに、何だか感情が高ぶったり腹が立って我慢ができなくなるのです。

「あれ?イライラするのはもしかしてPMSかしら?」などと自分を冷静に振り返ることができるようになるのは、40歳も過ぎてやっとでしょうか。

 

女性は1ヶ月の4分の1をそんな気分で過ごしています。女性が感情的なのは、自分でも制御できないホルモンのせいが大きいです。人格否定をする前に、一度PMSに思いを馳せてみると、少し見え方が違ってくるかも知れませんね。

 

あ、だからといって、女性部下に生理周期を聞くとか、「お前今日は生理前か?」などというのはセクハラになりますから絶対にやめてくださいね!

でも・・・妻の周期は知っておくとわが身を守れます・笑

 

👉今回のPOINT

1. PMS・PMDDについて正しく理解
2. 女性自身の制御不能で感情が爆発することがある
3. いつもと違う反応はPMSではないかと疑ってみる(心の中で!)

 

 

このコラムでは、組織の中で起きがちなミスコミュニケーションを軸に、様々なポイントやコツをお伝えします。ぜひ違いを知って、新しい視点を楽しんでみてください。

そして、女性たちが存分に能力を発揮でき頼もしい戦力となることで、力強い組織となるためのサポートとなればと思います。

 




<阿部博美・プロフィール>

阿部博美
株式会社オフィスat 専務取締役/ハピレボプロデューサー。産業カウンセラー、キャリアコンサルタント。

自称「女ゴコロ翻訳家」。男女の本能からくる意識や行動の違いを、様々な具体的場面に落とし込み、お互いの理解を深め相乗効果を上げることを目指す。企業活動の中では、女性客の本音を翻訳しマーケティング設計に繋げ、組織の中では、お互いの強みを活かし合える風土づくりに繋げている。
現在、女性目線を専門とするマーケティング会社を経営。商品やサービスについてはもちろん、近年は採用ブランディングや女性活躍推進の相談を多く受けている。それらの中で、女性社員や外部の主婦など、女性チームをマネジメントする場も多い。新卒から15年間携わった人材派遣業界での女性マネジメントや、派遣先企業と派遣スタッフとの間での翻訳経験が非常に役立っている。