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【イキマネコラムvol.44】女性活躍の成功事例「2位じゃダメなんでしょうか」蓮舫議員の功績

[公開日] [最終更新日]2021/05/27

【イキマネコラムvol.44】女性活躍の成功事例「2位じゃダメなんでしょうか」蓮舫議員の功績

『イキマネ』とは、女性が「イキイキ」「活きる」マネジメントのこと。
組織の中で女性本来の良さが発揮できるマネジメントを目指すこの手法について、ハピレボプロデューサーであり、株式会社オフィスat 専務取締役の阿部博美氏による連載記事を配信します。
(※)このコラムでは、イクボスを推進するプロジェクトメンバーによる寄稿記事を配信しています(記事一覧)。

 




日本が誇るスーパーコンピューター「富岳(ふがく)」が、2020年のスパコン性能ランキングの4部門で世界一になったのだそうです。しかも2位に圧倒的な差をつけて。

これに、蓮舫議員の発言が少なからずとも影響を与えているというのです。

2009年の「事業仕分け」の際、「世界最速」に固執する文科省の役人に対して、蓮舫議員が放った「2位じゃダメなんでしょうか」発言はあまりに有名です。この時、現場では失笑が起き「こいつ何言ってるんだ」という空気になりました。

けれども、それを見ていた私は蓮舫議員と同じように「なぜ2位じゃだめなのか」と思っていましたし、私以外の女性もその失笑に違和感を持ったと、後日何人もにヒアリングして分かりました。端的に言うと、「勝負にこだわる男性 vs 戦いたくない女性」という構図です。

失笑が起きたのは、現場が多様性を受け入れようとしない男性モノクロ一色だったことに原因がある、という文脈で私がよく紹介する事例でした。

ところがこれには先の話があるのだと最近知りました。実はこのことがきっかけとなって、開発の方針を大きく変えることになり、しかもそれが世界一へと導くことに繋がったというのです。

それまでの開発方針は「世界最速」追求の一辺倒。けれども成果が出ずに行き詰まりを感じていたところの蓮舫発言。その後、「世界一よりも使いやすさ重視」に大きく舵を切ったのだそう。結果、世界一を目標と掲げていなかったにも関わらず、圧倒的な1位をとることができたというのです。

これこそが女性活躍・ダイバーシティの必要性ではないでしょうか。
モノクロの世界では当たり前で気づかず通り過ぎていくことも、多様な視点が入ることで「ん?」と立ち止まる。この「雑音」こそがイノベーションの源泉です。

「雑音」をめんどくさいと思うか、オモシロいと思うか、そこが分かれ道ですね。

 

👉今回のPOINT

1. 自分たちがマジョリティ思考に偏っていないか見まわしてみる
2. 本当にそれは当たり前なのか立ち止まってみる
3. 価値観の合わない意見にも一旦耳を傾けてみる

 

 

このコラムでは、組織の中で起きがちなミスコミュニケーションを軸に、様々なポイントやコツをお伝えします。ぜひ違いを知って、新しい視点を楽しんでみてください。

そして、女性たちが存分に能力を発揮でき頼もしい戦力となることで、力強い組織となるためのサポートとなればと思います。

 




<阿部博美・プロフィール>

阿部博美
株式会社オフィスat 専務取締役/ハピレボプロデューサー。産業カウンセラー、キャリアコンサルタント。

自称「女ゴコロ翻訳家」。男女の本能からくる意識や行動の違いを、様々な具体的場面に落とし込み、お互いの理解を深め相乗効果を上げることを目指す。企業活動の中では、女性客の本音を翻訳しマーケティング設計に繋げ、組織の中では、お互いの強みを活かし合える風土づくりに繋げている。
現在、女性目線を専門とするマーケティング会社を経営。商品やサービスについてはもちろん、近年は採用ブランディングや女性活躍推進の相談を多く受けている。それらの中で、女性社員や外部の主婦など、女性チームをマネジメントする場も多い。新卒から15年間携わった人材派遣業界での女性マネジメントや、派遣先企業と派遣スタッフとの間での翻訳経験が非常に役立っている。