『イキマネ』とは、女性が「イキイキ」「活きる」マネジメントのこと。
組織の中で女性本来の良さが発揮できるマネジメントを目指すこの手法について、ハピレボプロデューサーであり、株式会社オフィスat 専務取締役の阿部博美氏による連載記事を配信します。
(※)このコラムでは、イクボスを推進するプロジェクトメンバーによる寄稿記事を配信しています(記事一覧)。
期待に胸を膨らませて入社した女性社員たちが、2年目には昇進意欲を失っているという調査結果があります。
元々男性に比べて女性の方が意欲は低いのですが、それでも1年目には「昇進したい!」と思っている女性は半数以上います。それが早くも2年目には、そのうちの3割以上もの人が、その意欲がなくなっているというのですから、非常にショッキングです。
その理由は何でしょうか。
- 上司たちが楽しそに見えない
- 上司の働き方に共感できないし真似できない
- 先輩の女性たちにあきらめムードが漂っている
- スーパーウーマンでないと昇進できないなら私にはムリ
- 子育てとの両立が大変そう
どんな理由であれ、入社して知る社内の様子から心境に変化が起こったのだとすると、かなりマズイ状態ではないでしょうか。
今の時代、学校教育の中では男女の差はほとんど感じることはありません。私も学生たちからよく「会社では本当に男女差別ってあるんですか?昔の話ではないのですか?」と聞かれます。
そんなフラットな意識で入社してきた女性たちが、会社に入ってみて初めて、理不尽な男女差別があっていることを知り、会社に対して幻滅するというのが大方のところではないかと思います。
このデータを見た企業の方から、「では、2年目の女性にどんな研修をしたらいいでしょうか」と相談されました。いえいえ、その論点がズレています。研修すべきは2年目の女性ではなく、上司や先輩社員の方です。もっと言えば、そういう社員をつくってしまう制度や風土を見直す必要があります。
👉今回のPOINT
1.入社したときにはヤル気に満ちていた女性の3割は2年目に意欲を失う
2.学生時代に全く感じなかった男女差別に直面して戸惑う
3.既存社員の意識改革が最も重要なカギ
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このコラムでは、組織の中で起きがちなミスコミュニケーションを軸に、様々なポイントやコツをお伝えします。ぜひ違いを知って、新しい視点を楽しんでみてください。
そして、女性たちが存分に能力を発揮でき頼もしい戦力となることで、力強い組織となるためのサポートとなればと思います。
<阿部博美・プロフィール>
株式会社オフィスat 専務取締役/ハピレボプロデューサー。産業カウンセラー、キャリアコンサルタント。
自称「女ゴコロ翻訳家」。男女の本能からくる意識や行動の違いを、様々な具体的場面に落とし込み、お互いの理解を深め相乗効果を上げることを目指す。企業活動の中では、女性客の本音を翻訳しマーケティング設計に繋げ、組織の中では、お互いの強みを活かし合える風土づくりに繋げている。
現在、女性目線を専門とするマーケティング会社を経営。商品やサービスについてはもちろん、近年は採用ブランディングや女性活躍推進の相談を多く受けている。それらの中で、女性社員や外部の主婦など、女性チームをマネジメントする場も多い。新卒から15年間携わった人材派遣業界での女性マネジメントや、派遣先企業と派遣スタッフとの間での翻訳経験が非常に役立っている。