[結果発表] 第二回イクボス充実度アンケート調査

【イキマネコラムvol.37】「女性活躍推進」は女性のためではなくアナタのため

[公開日] [最終更新日]2021/02/25

『イキマネ』とは、女性が「イキイキ」「活きる」マネジメントのこと。
組織の中で女性本来の良さが発揮できるマネジメントを目指すこの手法について、ハピレボプロデューサーであり、株式会社オフィスat 専務取締役の阿部博美氏による連載記事を配信します。
(※)このコラムでは、イクボスを推進するプロジェクトメンバーによる寄稿記事を配信しています(記事一覧)。

 




「女性活躍推進」を「女性」のくくりで聞くと、どうしても他人事になりがちです。女性たちが柔軟に働けるためにはテレワークの導入が必至だと、これまでいくら訴えてきても聞き入れなかった企業も、コロナ禍の下ではあっという間に導入を決め、今ではすっかり活用しています。

このように他人事から自分ゴトになった途端に、物事の見え方は一変します。
それでは、女性活躍推進がなぜ「アナタのため」なのかについてお伝えします。

こちらのグラフは、介護による離職者数の推移です。ここ数年横ばいが続いていますが、よく見ると男性の数はどんどん増えています。

【イキマネコラムvol.37】「女性活躍推進」は女性のためではなくアナタのため
 

介護で離職するのは40代後半以降です。御社のエース級の社員が、急に辞めると言い出したらどうしますか?今や共働きは当たり前で(※図2)兄弟の数も少ないので、自分で何とかしないと、と考える人は多くいます。しかも、エース級な人ほど仕事を中途半端にすることができず、しかもパートナーもエースとして働いている率が高いので「自分の親は自分で面倒見てよね」ということになりがちです。

【イキマネコラムvol.37】「女性活躍推進」は女性のためではなくアナタのため
 

ベビーブーム世代全員が後期高齢者になる「2025年問題」は、もう目の前に来ており、2022年には社員の4人に1人が介護社員になるという試算も出ています。(※図3)

【イキマネコラムvol.37】「女性活躍推進」は女性のためではなくアナタのため
 

まだ間に合います。女性が活躍できる組織を今のうちに整えておくことです。女性が活躍できるということは、結局あらゆる人が活躍できるということです。
アナタも介護だけではなく、明日交通事故に遭って入院するかも知れません。自分には絶対に制約が起きることはないという保証はどこにもないのです。

女性はマイノリティの中の最大のマジョリティであり、多様性の入り口でもあります。女性だけでなく、介護社員はもちろんのこと、数時間だけなら働ける障がい者、療養中の人、外国人、LGBTなど、あらゆるマイノリティの人たちがお互いを思いやりながら活躍できる組織こそが、未来に生き残る強い組織になれるのだと思います。

 

👉今回のPOINT

1.柔軟な働き方はすべての人のため
2.自分ゴトになると視点が変わり見え方が変わる
3.多様性のある組織こそが未来に生き残る強い組織になる

 

 

このコラムでは、組織の中で起きがちなミスコミュニケーションを軸に、様々なポイントやコツをお伝えします。ぜひ違いを知って、新しい視点を楽しんでみてください。

そして、女性たちが存分に能力を発揮でき頼もしい戦力となることで、力強い組織となるためのサポートとなればと思います。

 




<阿部博美・プロフィール>

阿部博美
株式会社オフィスat 専務取締役/ハピレボプロデューサー。産業カウンセラー、キャリアコンサルタント。

自称「女ゴコロ翻訳家」。男女の本能からくる意識や行動の違いを、様々な具体的場面に落とし込み、お互いの理解を深め相乗効果を上げることを目指す。企業活動の中では、女性客の本音を翻訳しマーケティング設計に繋げ、組織の中では、お互いの強みを活かし合える風土づくりに繋げている。
現在、女性目線を専門とするマーケティング会社を経営。商品やサービスについてはもちろん、近年は採用ブランディングや女性活躍推進の相談を多く受けている。それらの中で、女性社員や外部の主婦など、女性チームをマネジメントする場も多い。新卒から15年間携わった人材派遣業界での女性マネジメントや、派遣先企業と派遣スタッフとの間での翻訳経験が非常に役立っている。