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【イキマネコラムvol.35】モチベーションを下げない注意のしかた

[公開日] [最終更新日]2020/12/10

【イキマネコラムvol.35】モチベーションを下げない注意のしかた

『イキマネ』とは、女性が「イキイキ」「活きる」マネジメントのこと。
組織の中で女性本来の良さが発揮できるマネジメントを目指すこの手法について、ハピレボプロデューサーであり、株式会社オフィスat 専務取締役の阿部博美氏による連載記事を配信します。
(※)このコラムでは、イクボスを推進するプロジェクトメンバーによる寄稿記事を配信しています(記事一覧)。

 




単に注意をしただけなのに、想定以上に落ち込む女性社員に辟易したことはありませんか?サッサと気持ちを切り替えて、次に進んでほしいのに、と思うこと。

女性はいい意味でも悪い意味でも主観的です。業務のやり方について注意をしただけなのに、自分自身が否定されたような気持ちになるのです。

そんな時は注意のしかたを変えてみてください。ここで使いたいのが「イルカ型」いわゆるコーチングです。上手な事例をご紹介します。

 

先日、クライアント企業の会議に出ていた時、女性チームを率いるリーダーがとても効果的な指示の出し方をしていて感心しました。

あるイベントのリハーサルで、あまり上手く進行できなかった部分について、見ていた私は「ああ、もっと●●した方がいいな」と思っていました。

振り返りのミーティングで、そのリーダーがどう指示するかなと思ってみていると、

リーダー:「上手く進められなかったのはナゼかな?」
担当者:「××だったからじゃないと思います」
リーダー:「そうね。じゃあどうやったらよかったんだっけ?」
担当者:「もっと●●するべきだったと思います」
リーダー:「そうだね。次はそうやろうか」
担当者:「はい!」

ヤル気に満ちた担当者の声に、さすが部下から慕われているリーダーだなと感心しました。

こんな時、よくありがちな会話は

リーダー:「なんでできなかったんだ!」
担当者:「すみません、、、」
リーダー:「もっと●●すればよかったのに」
担当者:「は、はい、、、」

答えを本人から導き出す、これがコーチングです。

「●●すべきだった」とすぐに答えを教えるのはティーチング。ティーチングでは本人が成長しませんし、さらには自分の不出来を責められたような気持になってしまい、次に進む気持ちさえ摘み取ってしまいます。

 

まずは問いを立てることで相手に気づきを与えること。答えは自分で探すよう促し、後は見守るだけです。自分で「●●する」と言わせることで、次は必ずやり遂げるんだという強い意志の醸成にも繋がります。

女性は「ジブンゴト化」すると強いです。ティーチングや命令ではなかなか腑に落ちずに「ヒトゴト」となりがちな女性も、この「ジブンゴト」になることができると俄然ヤル気が湧いて来ます。

見守ってくれる上司がいればなおさらモチベーションが上がり、結果パフォーマンスが上がるのです。

*イルカ型などリーダーシップの特徴に関しては、こちらの過去記事にも解説していますのであわせてご覧ください。

 

👉今回のPOINT

1.女性は主観的になりやすく、指導と自己否定を混同しがち
2.コーチングの手法で問いを立て、自ら問題点を導き出させる
3.自分で決めたことは実行しやすい

 

 

このコラムでは、組織の中で起きがちなミスコミュニケーションを軸に、様々なポイントやコツをお伝えします。ぜひ違いを知って、新しい視点を楽しんでみてください。

そして、女性たちが存分に能力を発揮でき頼もしい戦力となることで、力強い組織となるためのサポートとなればと思います。

 




<阿部博美・プロフィール>

阿部博美
株式会社オフィスat 専務取締役/ハピレボプロデューサー。産業カウンセラー、キャリアコンサルタント。

自称「女ゴコロ翻訳家」。男女の本能からくる意識や行動の違いを、様々な具体的場面に落とし込み、お互いの理解を深め相乗効果を上げることを目指す。企業活動の中では、女性客の本音を翻訳しマーケティング設計に繋げ、組織の中では、お互いの強みを活かし合える風土づくりに繋げている。
現在、女性目線を専門とするマーケティング会社を経営。商品やサービスについてはもちろん、近年は採用ブランディングや女性活躍推進の相談を多く受けている。それらの中で、女性社員や外部の主婦など、女性チームをマネジメントする場も多い。新卒から15年間携わった人材派遣業界での女性マネジメントや、派遣先企業と派遣スタッフとの間での翻訳経験が非常に役立っている。