『イキマネ』とは、女性が「イキイキ」「活きる」マネジメントのこと。
組織の中で女性本来の良さが発揮できるマネジメントを目指すこの手法について、ハピレボプロデューサーであり、株式会社オフィスat 専務取締役の阿部博美氏による連載記事を配信します。
(※)このコラムでは、イクボスを推進するプロジェクトメンバーによる寄稿記事を配信しています(記事一覧)。
「部下が全員女性で、仕事の進め方や依頼の仕方で苦労している」
先日、そんなお悩みを耳にしました。
この問題については、しょっちゅう聞かれることなので即答できます。
「リーダーシップの形を変えてください。」
リーダーシップには様々な種類がありますが、恐らく、現状のリーダーシップが女性たちに合っていないのだと思われます。
まずはリーダーシップの特徴について理解しておきましょう。
武将型
成果を出すことに重きを置く獲物を獲得するまで追い続けるサメタイプ
父親型
父のように愛を持って、厳しく部下を育てる本人のためなら谷へも落とす獅子タイプ
母親型
母のように優しく部下を育てる感情や人間関係を大切にし、抱いて育てるカンガルータイプ
教師型
知識や分析を重視し、客観的に部下を育てる冷静に考えるフクロウタイプ
コーチ型
チームワークを大切にし、チームメンバーの意見や創造性、力を引き出す仲間と、一緒に楽しんで泳ぐイルカタイプ
女性に一番適しているのは「コーチ型・イルカタイプ」です。
ところが、男女問わずに「あなたの上司はどのタイプですか?」と聞くと、ほとんどが「武将型」と答えます。
そして、「どのタイプの上司が嫌ですか?」と聞くと、これもまた「武将型」なのです。
あなたはどのタイプでしたか?
女性の場合、ヒエラルキーの概念があまりありません。
(中には、体育会で強烈に鍛えられた人もいますが)
上司の命令だから従うのは当たり前だろうという考えは通用しません。
自分の腑に落ちなければ、テコでも動かないのはそのためです。
しかも、「上司の言うことが聞けないのか」などと肩書を振りかざすようなことは、最も嫌われますし全く効果はありません。
ですから、仕事を依頼する時には、彼女たちの「腑に落とす」ことを省いてはいけません。
丁寧に説明をして納得させれば、きっと期待以上の仕事をしてくれるはずです。
最初は面倒くさいかも知れませんが、手を抜くことは危険ですから慣れましょう。
これまで「武将型」に従うふりをしていたかも知れない男性たちも、生き生きとしてくるかも知れません。
ちなみに、電車で隣り合わせになって話しかけてくるのは、大抵おばさんですよね。
そんな風に、年齢や肩書に囚われずにすぐに打ち解けられる女性たちの感性は、他社とのシェアやコラボ、自由な発想のアイディア出しなど今の時代に非常にマッチしていて、利用価値が大きいことも付記しておきます。
そして、もうひとつ重要な点があるのですが、、、
長くなるのでそれはまた次回に。
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このコラムでは、組織の中で起きがちなミスコミュニケーションを軸に、様々なポイントやコツをお伝えします。ぜひ違いを知って、新しい視点を楽しんでみてください。
そして、女性たちが存分に能力を発揮でき頼もしい戦力となることで、力強い組織となるためのサポートとなればと思います。
<阿部博美・プロフィール>
株式会社オフィスat 専務取締役/ハピレボプロデューサー。産業カウンセラー、キャリアコンサルタント。
自称「女ゴコロ翻訳家」。男女の本能からくる意識や行動の違いを、様々な具体的場面に落とし込み、お互いの理解を深め相乗効果を上げることを目指す。企業活動の中では、女性客の本音を翻訳しマーケティング設計に繋げ、組織の中では、お互いの強みを活かし合える風土づくりに繋げている。
現在、女性目線を専門とするマーケティング会社を経営。商品やサービスについてはもちろん、近年は採用ブランディングや女性活躍推進の相談を多く受けている。それらの中で、女性社員や外部の主婦など、女性チームをマネジメントする場も多い。新卒から15年間携わった人材派遣業界での女性マネジメントや、派遣先企業と派遣スタッフとの間での翻訳経験が非常に役立っている。