[結果発表] 第二回イクボス充実度アンケート調査

【イキマネコラムvol.22】女性だけの開発チームを作るときのポイントや注意点はなにか?

[公開日] [最終更新日]2020/07/09

【イキマネコラムvol.22】女性だけの開発チームを作るときのポイントや注意点はなにか?

『イキマネ』とは、女性が「イキイキ」「活きる」マネジメントのこと。
組織の中で女性本来の良さが発揮できるマネジメントを目指すこの手法について、ハピレボプロデューサーであり、株式会社オフィスat 専務取締役の阿部博美氏による連載記事を配信します。
(※)このコラムでは、イクボスを推進するプロジェクトメンバーによる寄稿記事を配信しています(記事一覧)。

 




女性のプロジェクトチームを新しく作った、という企業も多いのではないでしょうか。思うような成果は出ていますか?今回のコラムでは、女性チームを数々立ち上げてきた経験からの注意点を3つお伝えします。

 

まずはリーダーについて。

これは管理者が指名するのが最も有効です。立候補させようとしても、女性は横並び意識が強いためなかなか手が挙がりません。また手が挙がったとしても、その人を他のメンバーが信頼するかというと、そうでもない場合が多いです。ここは「上司が勝手に指名した」というシチュエーションで、平等意識を残しておくのが得策です。

また、指名したリーダーには「まずは連絡係だから」くらいの軽い感じで依頼すると納得感が得やすくなります。最初から大きな責任があると思うと逃げ腰になりますので。活動していく中で、少しずつリーダーとしての意識づけを強めていくと、ちゃんと成長していきますし、その頃にはメンバーからの信頼も大きく育っているはずです。小さく与えて大きく育てる意識が大事です。

 

ふたつ目は構成人数。

できれば偶数をオススメします。多数決をとったとき、奇数だと必ず結論が出てしまうからです。チーム運営に慣れていない場合は特に、しっかりと議論することが重要です。

が、多数決で意見が拮抗していても、奇数だとそのまま結論付けてしまいがちです。議論を尽くすためにも奇数にしないことをおススメします。

 

3つ目は任せることです。

議論の進め方が違ったり価値観が違ったりするので、つい口を出してしまいたくなります。けれどもそれは、登る山の頂上は同じだけど、登山道が違っているだけかも知れません。また、女性はいくら命令されても、自分の腹落ちしないとなかなか先に進むことをしません。ある程度本人たちに任せることで、失敗しながらでも彼女たち自身で学ぶ時間を与えてください。

ただ、目標達成に対する執着心が、男性よりも若干低い傾向があります。些末なことに時間を取られ過ぎて、大きなミッションに到達しないなんてことも起きがちです。時々進捗を確認をし、本来やるべきことは何なのか、本人たちが気づくような問いかけをしてください。

🔗参照:【イキマネコラムvol.12】「猫の目」を上手に活かせる企業が生き残る!?

 

上記はあくまでも「チーム運営初心者」に対する注意点です。突然女性チームを任命され、これまで補佐的な立場しか経験しなかった女性たちが戸惑うところをたくさん見てきました。誰しも最初からうまくは行きません。必ず成長することを信じて、少し長い目で見てあげてください。

 

ところで私自身、こんな体験をしたことがあります。

女性比率が90%以上という会社にいたときのことです。営業会議でアイディア出しのブレスト中、幹部も平社員もいましたが、そこには上下も忖度も何もなく、誰もが好き勝手に発言していました。妄想はどんどん広がり、それはたくさんアイディアは出てきたのですが、出尽くした時に全員が放心状態になりました。てんこ盛りになったアイディアをどうまとめるのか。

さあ頭を切り替えなければと誰もが思った時、それまでずっと黙っていた唯一の男性社員がおもむろに立ち上がりました。そしてホワイトボードにスルスルとフロー図を描きだしたのです。「皆さんが言ってるのはこういうことですか?」と。思わず全員が唸りました「まさにソレ!」と。

それぞれ得意分野が違うことを突き付けられた瞬間でした。これこそがダイバーシティの本質です。同質を求めるのではなく、異質を補完し合い相乗効果を引き出すためにも、お互いの違いを理解し合い尊重し合う文化が根付くことを願ってやみません。

 

👉今回のPOINT

1. 女性チームを立ち上げる時は、小さく与えて大きく育てる
2. チームは偶数人で構成し、リーダーは管理者が指名
3. 必要な問いかけをしながら任せることで成長を促す

 

 

このコラムでは、組織の中で起きがちなミスコミュニケーションを軸に、様々なポイントやコツをお伝えします。ぜひ違いを知って、新しい視点を楽しんでみてください。

そして、女性たちが存分に能力を発揮でき頼もしい戦力となることで、力強い組織となるためのサポートとなればと思います。

 




<阿部博美・プロフィール>

阿部博美
株式会社オフィスat 専務取締役/ハピレボプロデューサー。産業カウンセラー、キャリアコンサルタント。

自称「女ゴコロ翻訳家」。男女の本能からくる意識や行動の違いを、様々な具体的場面に落とし込み、お互いの理解を深め相乗効果を上げることを目指す。企業活動の中では、女性客の本音を翻訳しマーケティング設計に繋げ、組織の中では、お互いの強みを活かし合える風土づくりに繋げている。
現在、女性目線を専門とするマーケティング会社を経営。商品やサービスについてはもちろん、近年は採用ブランディングや女性活躍推進の相談を多く受けている。それらの中で、女性社員や外部の主婦など、女性チームをマネジメントする場も多い。新卒から15年間携わった人材派遣業界での女性マネジメントや、派遣先企業と派遣スタッフとの間での翻訳経験が非常に役立っている。