[結果発表] 第二回イクボス充実度アンケート調査

【イキマネコラムvol.12】「猫の目」を上手に活かせる企業が生き残る!?

[公開日] [最終更新日]2020/07/09

『イキマネ』とは、女性が「イキイキ」「活きる」マネジメントのこと。
組織の中で女性本来の良さが発揮できるマネジメントを目指すこの手法について、ハピレボプロデューサーであり、株式会社オフィスat 専務取締役の阿部博美氏による連載記事を配信します。
(※)このコラムでは、イクボスを推進するプロジェクトメンバーによる寄稿記事を配信しています(記事一覧)。

 




あなたは地図を見る時、行く方向に合わせて地図をくるくると回しますか?

 

「回すなんてあり得ない、回すヤツはおかしいんじゃないか」と思った方は、「女性部下の話が長くてイライラする」という経験をお持ちではないでしょうか?

 

実は、地図をくるくる回すことと話が長いことには共通点があります。

それは行動の起点が「自分中心」であるということです。

 

地図を見る時に、自分を起点として左右どちらなのかを見ている人は、方向が変わるたびに地図を回すことになります。

また、話すときも自分の見える景色を追いながら話すので、どうしても時系列になりがちです。

すると遠くにある結論が後回しになり、さらには自分からよく見える目の前の事象を細々と説明することになり、上司をイラつかせてしまいます。

 

この対比を、私はいつも「鳥の目と猫の目」と伝えています。猫の目は圧倒的に女性が多いようです。

正確なデータはありませんが、私の体感として男性では少数派で、女性は7割くらいはいると思います。

 

鳥の目は、常にゴールを見据えながら話をするので、効率的に最短距離で行こうとしますし、それができます。

が、猫の目は、ゴールが見えないので話が横道に逸れがちですし、時には何の話をしているのかさえ忘れてしまうこともあります。

鳥の目からすると信じられないことでしょうが、猫の目は決して悪気があってやっていることではなく、ましてや頭が悪いわけでもありません。

 

じゃあ、猫の目を野放しにしておくのかというと、そうではありません。

効率を求めがちなビジネス界では、どうしても鳥の目が有効な場面が多くあります。

ですから、猫の目たちを少し鍛えてあげてほしいのです。横道に逸れてしまったら、時々首を掴んで持ち上げて、上からの景色を見せてあげてください。

「あ、しまった」と気づいて話を元に戻せるようになります。それを繰り返しているうちに、少しずつ鳥の目も持つことができるようになっていきます。

その時にお願いしたいのは、持ち上げながら「今のゴールは何だっけ?」と本人に気付かせるように仕向けることです。(3回目のコラムでも解説した「イルカ型」ですよ)

 

私はいつも女性たちに「結論ファースト」と伝えています。

まずは結論を先に話すということを意識するだけで、ずいぶん話し方は変わってきます。ぜひやってみてください。

 

今回の「鳥の目と猫の目」についても、いつもお伝えしているように、そこには違いがあるだけで良し悪しはありません。

もちろん、効率よく業務を行うためには鳥の目が有効ですが、それだけでは見落としてしまうような、小さくても重要なことを猫の目が見つけることもあるかもしれません。

ビジネス全体も、大量生産の効率重視から少量・細分化が進んでいますから、猫の目を上手に活かせる企業が生き残るのかもしれませんね。

 

ところで、最近は手元の地図を回さない女性が増えているそうです。特に若い人に多いのだとか。

それは、女性が男性化してきている・・・のではなく、スマホの地図が勝手にくるくる回るからだそうですが。

 

ちなみに私は地図を回す派です。

大きな居酒屋でトイレに行くと、帰り道を見失うことがあります。決して酔っているからではありませんよ。

来た時と左右が逆向きになるので。。。

もう理解していただけますよね?

 

 

このコラムでは、組織の中で起きがちなミスコミュニケーションを軸に、様々なポイントやコツをお伝えします。ぜひ違いを知って、新しい視点を楽しんでみてください。

そして、女性たちが存分に能力を発揮でき頼もしい戦力となることで、力強い組織となるためのサポートとなればと思います。

 




<阿部博美・プロフィール>

阿部博美
株式会社オフィスat 専務取締役/ハピレボプロデューサー。産業カウンセラー、キャリアコンサルタント。

自称「女ゴコロ翻訳家」。男女の本能からくる意識や行動の違いを、様々な具体的場面に落とし込み、お互いの理解を深め相乗効果を上げることを目指す。企業活動の中では、女性客の本音を翻訳しマーケティング設計に繋げ、組織の中では、お互いの強みを活かし合える風土づくりに繋げている。
現在、女性目線を専門とするマーケティング会社を経営。商品やサービスについてはもちろん、近年は採用ブランディングや女性活躍推進の相談を多く受けている。それらの中で、女性社員や外部の主婦など、女性チームをマネジメントする場も多い。新卒から15年間携わった人材派遣業界での女性マネジメントや、派遣先企業と派遣スタッフとの間での翻訳経験が非常に役立っている。