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【イキマネコラムvol.18】女性の意見が通らない2つの問題点

[公開日] [最終更新日]2020/07/09

【イキマネコラムvol.18】女性の意見が通らない2つの問題点

『イキマネ』とは、女性が「イキイキ」「活きる」マネジメントのこと。
組織の中で女性本来の良さが発揮できるマネジメントを目指すこの手法について、ハピレボプロデューサーであり、株式会社オフィスat 専務取締役の阿部博美氏による連載記事を配信します。
(※)このコラムでは、イクボスを推進するプロジェクトメンバーによる寄稿記事を配信しています(記事一覧)。

 




これまで多くの女性プロジェクトをサポートしてきて、いつも感じることがあります。

それは、彼女たちは日ごろから社内のことをよく見ていて、問題意識が高いということ。「もっとこうしたらいいのに」というユニークなアイディアもたくさん持っているのです。

では会社に提案したのかと聞くと大抵NOだと言います。そこには「言ってもムダ」という冷めた空気が漂います。私からすると、なんと勿体ないことと思うのですが。

 

そこには大きく2つの問題が潜んでいます。

ひとつめは、アイディアを言っても取り合ってもらえなかった経験があること。

これについては女性の側にも問題があります。それはアイディアが単なる思い付きにしか聞こえないこと。アイディアはいいのですが、それを上司に検討してもらうための客観的材料が足りないことが多いのです。

だからといって「意味がわからん」と潰してしまうのは非常に勿体ないので、何が足りないのかしっかり指導する必要があります。お互いに歩み寄る努力をしなければ、いつまでたっても平行線です。訓練を重ねるうちに、上司が見ている景色への理解もだんだん深まるはずです。

 

ふたつめは問題意識のズレです。

女性は小さなことでも気になると前に進めなくなります。提案する改善案も小ぶりの場合が多く、上司からすると「そんな小さなことはどうでもいいだろう」と軽視する傾向があります。

けれども、その小さなことが、実は外部の女性客には結構な問題だったとしたらどうでしょう。大きな損失を招くことにもつながりかねません。自身の価値観だけで判断せずに、様々な意見にも耳を傾けていくというクセをつけていくことは大切です。多様性とは、何も外国人や障がい者のことだけではなく、身近な女性たちも含まれているのです。

 

ここで、ふたつめの意識のズレを乗り越えて、大ヒットを飛ばした企業の事例をご紹介します。


大阪にある健康器具メーカー「株式会社アテックス

 

女性社員たちが「クッション型のマッサージ機を作りたい」と言い出した時、男性上司はことごとくダメ出ししました。

「そんなオモチャみたいなもの」「安っぽい」「誰が買うんだ」などなど。

女性たちは何度も企画を出しなおし、根負けした上司が「3000台だけなら」とOKを出したのが2009年。フタを開けて発売してみると、なんと初年度いきなり100万台の大ヒット、10周年を迎えた2019年には累計1000万台を売る今ではこの会社の看板商品です。

 

この開発時の話の中で特に私が面白いと思ったことがあります。

それは、上司が指摘してダメ出ししたデザインの部分が、私にとっては全部が「やっぱり女性だから気が利いてるな」と惹かれる部分だったことです。

男女で見ている景色がこんなにも違うんだなと感心しました。そして、よくぞ女性たちは上司に屈することなく押し通したなとも。

この会社は元々、医療用の大きなマッサージチェアなどのメーカーでしたが、今では女性・美容に関する商品が目白押しで、その業態まで大きく変えています。

 

ここでは、女性社員たちが意見を押し通せたのでこういう結果になっていますが、アイディアを潰されていたら、こうはなっていません。

ダメ出しした男性上司は、メディアの取材を受けるたびに汗をふきふき弁明していて、ちょっと同情してしまいます。

皆さんもそうならないようにお気を付けください。

 

👉今回のPOINT

  1. 先入観をなくしてまずは話を聞いてみる
  2. 検討するためには何が不足しているのか具体的に伝える
  3. 否定をやめて自由に発言できる雰囲気を作る

 

 

このコラムでは、組織の中で起きがちなミスコミュニケーションを軸に、様々なポイントやコツをお伝えします。ぜひ違いを知って、新しい視点を楽しんでみてください。

そして、女性たちが存分に能力を発揮でき頼もしい戦力となることで、力強い組織となるためのサポートとなればと思います。

 




<阿部博美・プロフィール>

阿部博美
株式会社オフィスat 専務取締役/ハピレボプロデューサー。産業カウンセラー、キャリアコンサルタント。

自称「女ゴコロ翻訳家」。男女の本能からくる意識や行動の違いを、様々な具体的場面に落とし込み、お互いの理解を深め相乗効果を上げることを目指す。企業活動の中では、女性客の本音を翻訳しマーケティング設計に繋げ、組織の中では、お互いの強みを活かし合える風土づくりに繋げている。
現在、女性目線を専門とするマーケティング会社を経営。商品やサービスについてはもちろん、近年は採用ブランディングや女性活躍推進の相談を多く受けている。それらの中で、女性社員や外部の主婦など、女性チームをマネジメントする場も多い。新卒から15年間携わった人材派遣業界での女性マネジメントや、派遣先企業と派遣スタッフとの間での翻訳経験が非常に役立っている。