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【第30回】奥田 絵美さん(株式会社ママそら 代表取締役)

[公開日] [最終更新日]2017/05/09


【第30回】奥田 絵美さん(株式会社ママそら 代表取締役)
イクボス・ロールモデルインタビュー第30回は、株式会社ママそら 代表取締役の奥田絵美さんが登場。ソーシャルメディアを使って全国2万人のママたちをまとめ、大手企業とのコラボレーションや行政との協働を次々と実現。働くママを応援する活動を展開している。これからの時代が求める働き方に合った運営の仕方や、ママたちをまとめるマネージメントのコツ、さらに「理解のない夫」を巻き込む工夫や、「女性活躍のリアル」についても伺った。2017年5月8日、イクボス中小企業同盟にも加盟

〈奥田絵美さん〉
株式会社ママそら 代表取締役
1980年福岡県生まれ。短大卒業後、証券会社に入社。14歳年上の夫と出会う。彼の東京転勤を機に、監査法人へ転職。28歳で結婚、夫の転勤で沖縄へ。不安な子育ての経験から「ママそら」設立、半年後に法人化。「ソーシャルメディア・ラジオ・リアルイベント」の3つを軸に働くママを応援する企業活動を行う。全国2万人のママをつなぐ11支部を展開中。大手企業とコラボレーションや、行政からの依頼で就業支援を行うなど飛躍的に活動の幅を広げている。フジテレビ「にじいろジーン」、BSジャパン「Wのチカラ ウーマノミクス」など、テレビ・ラジオ出演多数。毎週土曜日、レインボータウンFM「ママそらモーニングcafé」出演。著書に『新しいママの働き方』(アチーブメント出版)

夫の転勤、出産を経て、
「不安なママを救いたい」一心で起業

—まずは、奥田さんが「ママそら」を立ち上げた経緯を教えてください。

奥田:一番の転機は夫の転勤と妊娠が重なり、キャリアを諦め東京から沖縄に引っ越したことです。誰も知り合いのいない不慣れな土地で初めての妊娠と出産、孤独で不安な育児を経験しました。

—28歳の時ですね。お子さんが小さい頃はどんな生活を?

奥田:それまではいわゆるキャリアウーマンだったので、ママ友とか女性の集団はあまり得意ではなかったんです。ママ友の作り方もわからず家に引きこもりがちでした。出産後、「このままでは息子がかわいそう」と思い、勇気を出してベビーマッサージ教室へ行きました。

助産師さん主催の教室だったので、育児に対する不安や辛さを相談することができました。そして一緒に参加しているママたちも、たくさんの不安を抱えながら育児をしていて、「不安なのはみんな同じなんだ」と気持ちが楽になりました。ベビーマッサージ教室を卒業後も定期的に自宅で「ママ会」を開催し、専業主婦と子育ての生活を楽しめるようになっていました。

【第30回】奥田 絵美さん(株式会社ママそら 代表取締役)子どもが1歳になるころ、次々とママ友が職場復帰をする中、「私には戻る場所がない」と気づきました。
「もう一度働きたい!」と思うようになり、子どもを保育園の一時預かりに入れてハローワークへ行ったり、手に職さえあればと資格取得の資料を取り寄せたり、保険会社の説明会に行ったり。迷走していましたね。

でも、夫の転勤はいつあるかわからない。企業で働くことはあきらめて、「ボランティアでもいいから」とお世話になった助産師さんに相談したら、パートで雇ってもらえ、時給700円で働きはじめました。

—その時はどんな気持ちでしたか。

「私を必要としてくれる場所がある」ことが嬉しかったですね。私が得意なのは、企画と運営と営業です。私自身が孤独で不安な育児をしていて、なかなか一歩踏み出すことができずベビー教室にいくにもとても勇気がいりました。同じような思いをしているママたちの「一歩踏み出すきっかけ」を作りたくて、トイザらスに交渉してブースを一日5000円で借り、来店した妊婦さんや赤ちゃん連れのママに「ベビーマッサージの体験に来ませんか?」と声をかけたりして、ベビー教室に参加するきっかけ作りから始めました。

当時はベビーマッサージ教室だけだったので、2、3か月でみんな卒業していく。それはもったいないと、ベビーヨガなど1歳以降も通える教室を増やし、継続的に通える仕組みづくりを行いました。時給はずっと700円でしたけど、十分でした。
やりがいがあったし、一歩踏み出せなかったママたちが、そこに来て笑顔になって帰っていくのを見るのが幸せで。その思いは、今の活動にもつながっていますね。

—そうして、沖縄になじんできたと思ったら、次の転勤で東京へ戻ることになったんですね。

奥田:夫の転勤でキャリアを中断される生き方は嫌だ、と痛感しました。そんな時Facebookに朝焼けの写真をアップしたら、沖縄の友達がコメントをくれて。「近くにいなくても、SNSを活用すればつながれる、安心できる」と感じたのです。
この先どこに転勤になるかわからないから、全国にママ友を作ってしまおう。私みたいに不安なママたちに、「不安なのは自分だけじゃない」と伝えたい。そんな思いで「ママそら」を立ち上げました。

売上15万円で法人化へ
夫の反対にあう

—ママそらを設立したのが2012年10月ですね。初期のころはどんな感じでしたか。

奥田:最初の1か月で、Facebookページが広告なしで1000「いいね!」を超えました。ママだけじゃなく、パパたちや上の世代の方も応援してくれて、反響は大きかったですね。その後、リアルなイベントを次々と開催していくうちに、それを見た企業さんから声がかかりました。新商品に関する意見が聞きたいという「商品企画」と、その場でFacebookに投稿するという「広報」の仕事です。それで15万円いただけました。
ママたちのスキル、経験、主婦の感性をビジネスに変えることができるんじゃないか、そう思って「法人化」しました。

—売上15万円で法人化ですか。しかも、ママそらスタートから半年。展開が早いですね。
法人に当たっての葛藤はありましたか。

奥田:対企業で仕事をするためには法人化するしかないと思いました。大変だったのは夫の説得です。
今、大阪市の就業支援の仕事をしていますが、そこでも「一番のハードルは夫」という人は多いですね。
うちの場合も、「ママサークルまではいいけど法人化する意味が分からない」と言われました。リスクの心配もあったようです。
「100万円だけ家のお金を使わせてください。100万円がなくなったらきれいさっぱりあきらめます。家事育児は完璧にします」と説得しました。

—大手企業とコラボをされていますが、それは営業をしに行ったのですか?

【第30回】奥田 絵美さん(株式会社ママそら 代表取締役)
奥田:反響営業です。「問合せが来る仕組み」をサイト上に作りました。商品企画部を作り、「ママ 商品開発」で検索したら、ママそらのサイトが上がってくる導線を作りました。問合せフォームから依頼が来たら、話を聞き、条件に合うプランをオーダーで作るという流れです。

会社としてオフィスがあるわけではないし、私も子育てとの両立で時間が限られているし、資金も十分にない。転勤でいつどこに行くかもわからないので、「極力私が動かなくても回る仕組みを作りたい」と試行錯誤しました。

ちょうど「女性の活躍」「ママの商品開発」「口コミ」などが話題になりだした時期でした。企業が広告費を抑えようとするときに、大手広告代店を介さず直接頼めるところはどこかと探して辿り着く導線を作ったのです。

全国11支部、2万人のメンバーと
プロジェクトごとに契約

—ママそらはメンバーが全国に2万人いるということですが、仕事の流れはどのようになっているのですか。

奥田:本部にディレクターが2名。全国に11支部あり、それぞれに代表と副代表がいます。「商品開発部」「美容健康事業部」など複数の事業部もありそれぞれ代表と副代表がいます。
社員や契約社員という雇用形態ではなく、主要メンバーもプロジェクトごとの業務委託契約で、フルコミッションです。
企業からの仕事を受ける時は、2万人弱いる会員メンバーからオーディション型でプロジェクトを結成します。
企業との契約期間が半年であればママたちとも半年の契約を結び、スキル・経験・条件に応じた報酬を支払います。
多様なスキル・経験を持つ方がいるので、美容・金融・アパレルなど業種は様々です。

—本部のメンバーや支部の代表者も都度契約でフルコミッションですか。

奥田:そうです。みんな経営者や個人事業主なので、自分の仕事とママそらを組み合わせて仕事をしています。自立したメンバーですね。
時間的制約があるママたちは「短い時間で、自分のスキルや能力を活かして、やりがいのある仕事とそれに見合う報酬がほしい」という思いがあります。個人事業主だと企業との仕事はハードルが高く感じることもありますが、ママそらを活用すれば、場合によってはチームを組んでそれぞれの得意分野で分担して仕事ができる。その価値は、それぞれが感じていると思います。

多様なメンバーのマネージメントには、
透明性と「自発的に動きたくなる仕組み」が必要

—もともとママ友があまり得意じゃなったとおっしゃっていましたが、社員ではない、主要メンバーも一般メンバーもいる。そんな中でのマネージメントはすごく難しいのでは?

奥田:むずかしいですね。面倒なことも多いです(笑)。変な噂もすぐ広がります。だからこそブレない想いと行動が必要だと感じています。「私の方が頑張っているのになんであの人に仕事が行くのか」と言われることもありますが、仕事ですから「熱意があるから」では選ばない。仕事を任せられる人を選んでいるのです。「なぜその人を選んだか」を明確に説明できるというのがひとつのポイントです。
また企業に対しても同じです。判断基準は「本当にママのためになるか」。どんなに報酬がよくても判断に迷うことがあれば断ります。

支部代表など主要メンバーについては1年以上十分にコミュニケーションを取ってから任せるようにしています。プロジェクトメンバーはオーディション型ではありますが、ママそらは定期的にイベントを開催しているので、私や主要メンバーと直接面識があったり、SNSで繋がっていたりして、全く知らない人というのは少ないです。知らない方の場合は面談でしっかり確認するようにしてからは失敗が少なくなりました。

また「横の繋がり」を強化して満足度を上げておくことを意識しています。
支部とは個別にやり取りをするのではなく、支部代表と副代表が全て入っているFacebookグループでやり取りをして事例を共有しています。支部同士で相談しあったり、他の支部の活動が刺激になったりしています。全国各地にあるので仕事を取り合うこともなく、積極的に成功事例を共有して共に発展していこうという雰囲気があります。私が作った企画書も全て共有してそれぞれがカスタマイズして使えるようにしていています。

—行政や企業と組もう、というのも各支部が自発的にするのですか?

奥田:そうです。私から言っても「やらされている感」が出るだけなので私自身が行政や企業と仕事する姿を見せてメリットデメリットを伝え自発的にやりたいと思ってもらえるようにしています。たとえば、大手企業から「全国の支部に協力してほしい」という依頼が来た場合も、指示を出すのではなく、「こういう案件があるけど、やりたい支部はありますか」と手を挙げてもらいます。

—「やりたい人!」と声をかけて、自発的にやってもらうというのが基本ですね。

奥田:はい、そこをどう誘導するか、どう質問するか、どう投げかけるかを大切にしています。場合によっては企画書から書いてもらったり、自分で目標と報酬を決めてもらったりしています。

—最初からそういう仕組みでできたのですか?

奥田:最初は仕事を与えている感じでした。だからママたちも受け身で仕事をしていました。うまくいく時はいいのですがうまくいかないとお互い不満が出ました。どうやったらママたちが自立して働くようになるのかを考えて今の方法に変えました。
自分で仕事を取りに行く気持ちがない人は、そこにハードルを感じて離れていった人もいます。また、どんなに頑張っても時間をかけたとしても結果が出ないと評価されません。自分の裁量で自由に働ける分、自立した働き方を求めています。たとえば「20人集客しないといけない」というときは、「何が何でも20人集めないと仕事にならないよ」、「どんなにがんばっても達成しない限りは評価されないよ」というのはずっと教育してきました。

—自立して結果を出さないといけないというのを、どうやって「教育」するのですか?

奥田:私もプレイヤーとして動いているので、私の仕事の進捗や方法、考え方を支部代表が見られるグループページに投稿して共有しています。私が証券会社営業出身だったこともありノルマは絶対達成の文化で育ったので、最初は「なぜ結果にこだわらないのだろう」と悩むこともありました。でも多くのママたちと仕事をしていくうちに私の感覚を押し付けてはいけないことに気づき、私がなぜ結果にこだわるのかがわかるように営業やプレゼン、結果や報酬など仕事の全てのプロセスを「見える化」するようにしました。緊張したことや悔しかったこと、失敗して叱られたこと、達成した喜びなどその時の気持ちも合わせて投稿しています。

頑張っているのに結果につながらないとメンバーが苦しんでいるときは、手助けしたくなりますが、自らやると決めた仕事をどうやり遂げるのか、相談しやすい雰囲気を作ってあとは見守るようにしています。働き方改革が進み、在宅ワークなど働き方が多様化していくと企業で働いていてもより自立が求められますし、私たちの子どもが大きくなる頃はその力がより必要になってくるでしょう。ママが自立して働く姿を子どもたちにも見せてママがお手本になって欲しいなと思っています。

【第30回】奥田 絵美さん(株式会社ママそら 代表取締役)

メンバーと将来の夢や目標を共有し、
家族や子どものことも知っておくのがボスの役割

—それぞれが個人の事業や活動をされている中でのママそらの活動となると、そこのバランスも難しいのでは?

奥田:それはもう任せています。ママそらのメンバーは第1子出産後にメンバーになることが多いので第2子、3子出産や、パートナーの転勤、また小一の壁、介護スタートなど環境の変化が多いライフステージにいます。個人の仕事を優先したほうがいい時期もあります。自分の状況を自分で判断してできる時にできる分だけ、責任をもって仕事をしてもらえればいいと思っています。

—子どもが小さなお母さんたちをまとめていくとなると、「すごく働きたい人」もいれば、「おこづかい程度でいい」という人もいる。いろんな人がいて、いろんな働き方がある中で、マネージメントしていくコツは何でしょう?

奥田:支部代表や本部のメンバーには、「将来したいこと」や「目標」を聞き、「ママそらにいることでいかに自分の夢を叶えるか」を一緒に考えてもらうようにしています。だから人によってママそらへの関わり方はそれぞれです。みんな一律でこれをしなければいけないというのはありません。

家族のことまで入り込んで話を聞くこともあるので、もうひとり子どもが欲しいとか、時には離婚の話が出たり。そんな時は解決方法を一緒に考えます。家庭が上手くいってないと、ママそらの仕事はできないと思っているので。

—毎日オフィスに出社するわけではなく、遠方のメンバーとのやり取りも多いですよね。

奥田:そうですね。全国にメンバーがいて、距離があって会えないので、フォローを丁寧にするようにしています。最初の頃はメッセージだけだと上手く伝わらなくて、よく失敗しました。知らないうちに傷つけていたり、行間を勝手に自分の気持ちで埋められたりすることが多いので、発信やメッセージは丁寧に書くように心がけていますね。
「○○がんばっているよね」から書きはじめるとか。毎日会社に来るわけじゃないからこそ、「離れているけど見ているよ」という気持ちを伝えるようにしています。
「お子さんのお誕生日おめでとう」とか。

—それはまさに、イクボス的発想ですね。部下の子どもの誕生日を知っておく。
社員、パート、起業、在宅ワークなど、働き方が多様になっている時代に求められるボスとはどんな人でしょう?

【第30回】奥田 絵美さん(株式会社ママそら 代表取締役)奥田:「これをやって」ではなくて、それぞれの個性ややりたいこと、強みをきちんと把握すること。「仕事に人を合わせる」のではなく、「人に仕事を合わせる」という仕事の振り方ができれば、多様な人材を活用した新しい価値が生み出せると思います。

「女性活躍の時代」と言われるが、
女性自身の実感とは、まだまだギャップがある

—最近の「女性活躍」や「働き方改革」の盛り上がりについてはどう感じていますか?

奥田:この数年で企業の女性活躍の取組みは大きく進んでいます。
メディアでも話題になり、「女性活躍の時代」という雰囲気にもなっています。
一方で、働いている母親たちの声を聞くと、働きづらさを感じていたり、キャリアアップを目指そうと思えなかったりと、まだまだギャップはあるように思います。

先日ママそら内で働く母親向けにアンケートをとったところ、「今の働き方に満足している」と回答した母親は28%。約7割の方が「今の働き方でいいか迷っている」「今の働き方を変えようと思っている」状況でした。
企業側だけではなく、通勤やパートナーの協力などの「家庭環境」や「女性側の意識」などいろんな要因はあると思いますが、「女性活躍の時代」を女性自身が実感できるようにならないと本当の成果にはつながりにくいと考えます。経営戦略としてしっかり取り組んでいる企業とパフォーマンスでやっている企業の差が、どんどん開いてきていると実感しています。

また母親向けの就業支援を行って感じるのは、一度離職した子育て中の母親が復帰できる機会がまだまだ少ないということ。女性活躍が進んでいる企業でも採用は新卒のみだったり、中途採用も若者か転職組がメインとなっているケースが多いです。
私自身も夫の転勤で企業でのキャリアを諦めたひとりですが、育休復帰したくても企業の制度が整っていなかったり、配偶者の転勤などで、働き続けたくても働くことを諦めざるを得なかった女性はたくさんいます。

ブランクがあっても、スキル・経験が豊富で即戦力になる母親は多いと感じています。ブランクと言っても、何もしていなかったわけではなく「子育てという大事な仕事」をこなしてきているわけです。結婚・出産という大きなライフイベントを終えると、独身の若者よりも先のキャリアプランが立てやすくなるので、長く活躍してくれる可能性も高いと思います。
たくさんのママたちと一緒に仕事をしていますが本当に優秀な方が多いですよ。採用で最初から新卒や若者でフィルタをかけるのはもったいないです。母親の社会復帰ウェルカムな企業が増えてくれたら嬉しいです。

【第30回】奥田 絵美さん(株式会社ママそら 代表取締役)
―イクボスについては、どうですか?

奥田:イクボスが増えると、男性も家事・育児に参加しやすくなりママは大助かりです。女性も両立しやすくなれば再就職やキャリアアップを目指す方も増えてくると思います。

気になるのは、イクボス自身のワークライフバランスについて。私の夫もそうですが、今管理職の方は今まで仕事一筋だった方も多いと思います。先日、イクボス企業同盟の定例フォーラムでお会いした人事の方も、自身が家事・育児参加をしてこなかったことを後悔されており、奥様に頭があがらないとおっしゃっていました。そんな気持ちも、思っているだけでは伝わらないので、直接伝えることが大切です。言いにくかったら手紙も効果的です。

私は、産後まったく手伝ってもくれなかった夫のことを根に持っていましたが、「あのときは申し訳なかった」と言ってもらえただけで、ずいぶん許せたものです。

—日本に「女性イクボス」が増えるには何が必要だと思いますか?

【第30回】奥田 絵美さん(株式会社ママそら 代表取締役)奥田:母親管理職が増えれば「女性イクボス」が増えます。
今の男性イクボスは子育てに参加せずにイクボスになった方も少なくないと思うので、イクボス研修や思考のシフトなどが必要ですが、母親社員は子育てを経験し、両立の大変さを体験しているので、イクボスになりやすいはずです。

母親が管理職を希望しない場合もあると思います。弊社でもプロジェクトリーダーをお願いするときに十分な能力がありながらも「私でいいのだろうか」という不安やプレッシャーで一歩踏み出せない方もいました。そんなときは「あなただからお願いしたい」「あなたに期待している」という姿勢やメッセージは効果的でした。

「ママのため」を超えて、
すべての人が強みを生かして働ける社会を作りたい

—奥田さんの今後の夢は?

奥田:ママそら立ち上げから4年間ずっと挑戦を続けてきて、気づいたら就業支援などもやっていたという感じです。これからも、「時代の流れにあったプロジェクト」に取り組むことで、さらに価値のある挑戦ができると思っています。
ママそらは、私がたまたま転勤族ママだったことから、時間や場所にとらわれない働き方をしなければならない状況に追い込まれたことで、生まれた会社です。
これからの時代に求められる、環境が生んだ仕事だと思っています。

今、時代は女性活躍の次はダイバーシティという流れになっています。私は両親がともに聴力障がい者なので、障がいを持っておられる方に会う機会がとても多いのですが、ママだけでなく、いろんな人が活躍できる社会を作っていきたいというのが次の目標です。

父をはじめ理不尽な思いをして働いている人をたくさん見てきました。障がい者だからと障がい者枠に当てはめるのではなく、個々の強みやスキルが生かせる仕事を作る、そんなやり方ができると信じています。

—奥田さんが作ってこられた仕組みが、ママだけでなく、たくさんの人の「得意」や「強み」を生かして活躍できる社会を実現させていくのが、すごく楽しみです。
今日は、とても良い話をありがとうございました。こらからも、奥田さんの活躍と、ママそらのますますの発展を期待しています。

【第30回】奥田 絵美さん(株式会社ママそら 代表取締役)
 

(聞き手、文)
さわらぎ寛子
コトバワークス株式会社代表取締役、コピーライター。1978年京都市生まれ。広告制作会社で会社初の育休を取得したのち、独立。近畿日本鉄道など大手企業の広告制作を手掛ける一方、「自分メディアの時代に、文章のチカラで集客できる人を増やす」をミッションに、起業家、経営者向けの文章講座を開催している。FJ会員で料理上手な夫と、大阪で2男1女の子育てに奮闘中。