[結果発表] 第二回イクボス充実度アンケート調査

【イキマネコラムvol.47】女性が活躍できる組織は、「残業を見直す」姿勢のある組織

[公開日] [最終更新日]2021/07/08

【イキマネコラムvol.47】女性が活躍できる組織は、「残業を見直す」姿勢のある組織

『イキマネ』とは、女性が「イキイキ」「活きる」マネジメントのこと。
組織の中で女性本来の良さが発揮できるマネジメントを目指すこの手法について、ハピレボプロデューサーであり、株式会社オフィスat 専務取締役の阿部博美氏による連載記事を配信します。
(※)このコラムでは、イクボスを推進するプロジェクトメンバーによる寄稿記事を配信しています(記事一覧)。

 




「働き方改革」と言われ始めて何年経つでしょうか。
「ノー残業デー」を作るなどして、取り組んでいる企業も多いと思われますが、それでもまだまだ残業はなくなりません。

もちろん、残業さえ無くなればいいというものではありませんから、ムリして「見た目ノー残業」などと画策する必要はありません。

ただ、それは本当に必要なものなのか、見直してみたことがあるか、ということが重要です。当たり前と思い込んでいるものの中に、改善の余地はないでしょうか。「当然」とばかりに思考停止に陥っているだけであれば、そこに女性が活躍できる場所はできにくいということです。

こちらのデータをご覧ください。月の残業時間が30時間以上の人の割合を、性別と階層で比較したものです。

出典:『女性の視点で見直す人材育成』/中原淳著



これを見ると、男性の方が圧倒的に残業が多いことがわかります。スタッフ期を比較してみると、男性は女性の倍近くになっています。また、女性だけを見てみると、階層が上がるにつれて残業が増えていて、マネージャーはスタッフの2倍です。

これでは、昇進すると残業が増えプライベートな時間が脅かされると、女性たちが昇進を躊躇してしまうのも仕方ありません。「管理職になると、あんなに頑張らないといけないのか」と、マイナスのロールモデルになってしまっています。

皆さんの組織では、長時間働くこと=会社への忠誠心というような構図がないでしょうか?時短でさっさと帰る社員よりも、残業して遅くまで頑張っている人を評価したくなる気持ちはわからなくもありません。

けれども、育児や介護などで短時間しか働けない人は、ここで絶望を感じます。

🔗参照:【イキマネコラムvol.19】評価レースから戦力外通告されたと感じる女性の嘆き

長時間労働が評価される組織を脱却しない限り、多くの女性たちは活躍の場に登壇できません。また、長時間働ける女性とそうでない女性との分断も起きてしまうことになり、多様性を認め合い活気あふれる風土というものは、望めないでしょう。

今こそ「イクボス10ヶ条」を読み直してみてください。

 

👉今回のPOINT

1. 長時間労働を評価する「しくみ」になっていないか見直す
2. 今の残業は本当に必要なものか確認する
3. ボス自らがライフとワークのバランスを見直す

 

 

このコラムでは、組織の中で起きがちなミスコミュニケーションを軸に、様々なポイントやコツをお伝えします。ぜひ違いを知って、新しい視点を楽しんでみてください。

そして、女性たちが存分に能力を発揮でき頼もしい戦力となることで、力強い組織となるためのサポートとなればと思います。

 




<阿部博美・プロフィール>

阿部博美
株式会社オフィスat 専務取締役/ハピレボプロデューサー。産業カウンセラー、キャリアコンサルタント。

自称「女ゴコロ翻訳家」。男女の本能からくる意識や行動の違いを、様々な具体的場面に落とし込み、お互いの理解を深め相乗効果を上げることを目指す。企業活動の中では、女性客の本音を翻訳しマーケティング設計に繋げ、組織の中では、お互いの強みを活かし合える風土づくりに繋げている。
現在、女性目線を専門とするマーケティング会社を経営。商品やサービスについてはもちろん、近年は採用ブランディングや女性活躍推進の相談を多く受けている。それらの中で、女性社員や外部の主婦など、女性チームをマネジメントする場も多い。新卒から15年間携わった人材派遣業界での女性マネジメントや、派遣先企業と派遣スタッフとの間での翻訳経験が非常に役立っている。