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【イキマネコラムvol.32】<実例>この会社で働き続けていいのだろうか?という不安

[公開日] [最終更新日]2020/10/08

『イキマネ』とは、女性が「イキイキ」「活きる」マネジメントのこと。
組織の中で女性本来の良さが発揮できるマネジメントを目指すこの手法について、ハピレボプロデューサーであり、株式会社オフィスat 専務取締役の阿部博美氏による連載記事を配信します。
(※)このコラムでは、イクボスを推進するプロジェクトメンバーによる寄稿記事を配信しています(記事一覧)。

 




今回のコラムでは、「自分のやりたい仕事とはなにか?」と自問自答する女性の実例を取り上げ、組織における課題や上司の立場からどのように向き合えばよいかを解説します。

概要

  • Yさん:26歳、女性 家族:両親、妹
  • ハウスメーカーの地方支店勤務。今の仕事が自分に合っているのかわからない。早いうちに転職した方がいいのではと迷っている。

Yさんの悩み

東京の文科系大学を卒業後、地元で働きたいと大手のハウスメーカーの地方限定社員として採用された。本当は接客など人と会う仕事が好きだけど、営業職はやりたくなかったので、そうなると後は事務の仕事しかない。大手企業の華やかなイメージとは裏腹に、日々ルーティンワークに忙殺されている。先輩社員たちは皆優しくて、人間関係に問題はないけれど、自分のやりたい仕事はこんなものだったか、もっと自分に合う仕事があるんじゃないかと、自問自答することが増えた。友人たちのSNSでは、東京でキラキラしている様子が見えて少し後悔している。会社での人間関係が悪くない分、このままズルズルと流されそうで怖い。やり直すなら、少しでも若い方がいいんじゃないかと焦る気持ちもある。

 

Yさんのように悩む人は多いのですが、ぜひここで伝えてほしいことがあります。それは、仕事というのは「Will」「Can」「Must」の3つの輪が重なることで成り立っているということです。それぞれ「やりたいこと」「できること」「やるべきこと」です。「Will」は大事ですが、それだけでは仕事は成り立ちません。「Can」と、さらには「Must」があってこその仕事だということです。「Can」を増やさなければ、どこに行っても通用はしませんし、「Must」をやらなければ評価も受けませんから、いくら「Will」を訴えても聞いてもらえないことになります。

Yさんにはまず、今の会社でまだやれることがないのか考えてみるように促してみてください。それがどうしても転職しなければ叶わないことなのかをよく考えるようにと。

ところで、新人が3年以内に退職する割合は約3割。実はこの数字はここ30年ほど変わっていません。「今どきの若者は根性がない」という話は今に限ったことではありません。ただし、最近の傾向としてこれまでと大きく違うのは、彼らが学生時代にキャリア教育を受けているという点です。今の20代は小学生の時から当たり前にキャリア教育を受けてきました。自分は将来何になりたいのか、夢は何なのか、常に問い続けられていて、それに対する答えを探し続けて来たのです。それだけ長く考えて来た答えが、今のこの自分で正解なのかどうか、不安になるのは仕方ないことかも知れません(キャリア教育の内容自体に問題があることも指摘されていますがそこは割愛します)。50代の部長があまり深く考えずに就職した時代とは大きく変わっているのです。

キャリア教育で、常に自分にベクトルを向けて考えてばかりいた彼女たちに、自分を俯瞰して見ることを教えてあげることも必要なようです。

 

👉今回のPOINT

1.3年以内に3割近くの離職は30年変わっていない
2.「Will」「Can」「Must」の3つの輪
3.自分に向かうベクトルを外す術を教える

 

 

このコラムでは、組織の中で起きがちなミスコミュニケーションを軸に、様々なポイントやコツをお伝えします。ぜひ違いを知って、新しい視点を楽しんでみてください。

そして、女性たちが存分に能力を発揮でき頼もしい戦力となることで、力強い組織となるためのサポートとなればと思います。

 




<阿部博美・プロフィール>

阿部博美
株式会社オフィスat 専務取締役/ハピレボプロデューサー。産業カウンセラー、キャリアコンサルタント。

自称「女ゴコロ翻訳家」。男女の本能からくる意識や行動の違いを、様々な具体的場面に落とし込み、お互いの理解を深め相乗効果を上げることを目指す。企業活動の中では、女性客の本音を翻訳しマーケティング設計に繋げ、組織の中では、お互いの強みを活かし合える風土づくりに繋げている。
現在、女性目線を専門とするマーケティング会社を経営。商品やサービスについてはもちろん、近年は採用ブランディングや女性活躍推進の相談を多く受けている。それらの中で、女性社員や外部の主婦など、女性チームをマネジメントする場も多い。新卒から15年間携わった人材派遣業界での女性マネジメントや、派遣先企業と派遣スタッフとの間での翻訳経験が非常に役立っている。