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【イキマネコラムvol.31】<実例>子育てに優しい会社で独身者が感じる不公平感

[公開日] [最終更新日]2020/09/24

『イキマネ』とは、女性が「イキイキ」「活きる」マネジメントのこと。
組織の中で女性本来の良さが発揮できるマネジメントを目指すこの手法について、ハピレボプロデューサーであり、株式会社オフィスat 専務取締役の阿部博美氏による連載記事を配信します。
(※)このコラムでは、イクボスを推進するプロジェクトメンバーによる寄稿記事を配信しています(記事一覧)。

 




今回のコラムでは、子育てに優しい会社で独身者が感じる女性の実例を取り上げ、組織における課題や上司の立場からどのように向き合えばよいかを解説します。

概要

  • Kさん:33歳、女性 家族:一人暮らし
  • 百貨店勤務。女性が多く働きやすい会社だと思い、大学卒業後入社。子育て中の女性も多いし、結婚出産しても働き続けることができると選んだ。けれども実際は仕事が忙しく彼氏もできない状態。子育て中の同僚のしわ寄せが自分に回ってくることも多く、不公平感を感じている。

Nさんの悩み

大学卒業後今の会社に入社。女性が多いので多様な働き方ができ、結婚出産してもムリなく続けられるのではないかと、今の会社を選んだ。特に管理職を目指してバリバリ働きたいと思っていたわけではなく、自分のペースで仕事ができたらいいな、と思っていた。

気付けば33歳。リーダーを任されることも増えてきて仕事自体は楽しくなってきた。そろそろ管理職にならないかと上司から水面下で打診をされている。受けてみたい気もするが、これ以上仕事人間になると、ますます結婚が遠のくような気がして迷っている。

同僚は次々と結婚し育休中が何人もいる。育休明けで復帰してきた人は、子どもの病気でしょっちゅう休むし、そのしわ寄せが独身の自分に回ってくることも多い。これまでは、いずれ自分もそうなるかも知れないと自分に言い聞かせてきたが、それもだんだん限界が近づいてきた。もしかすると結婚しないかも知れない自分が、報われることはないんじゃないかと思うと、なんとも不公平な感じに襲われる。

 

まず、この年代の女性は、自分のキャリアプランに対する悩みに大きく揺れることを知っておいてください。結婚に対しては男性も同じでしょうが、出産には身体的なタイムリミットがありますから、その焦りは女性の方が大きくなります。

管理職への昇進も、同僚との関係も、自分のキャリアプランが定まらないところからきているようです。

この場合は、上司というよりも女性のメンターをつけてあげるのがいいのではないかと思います。業務上の相談というよりも、キャリア全般の話ですので、業務と直接関係のない部署の人がいいかもしれません。

管理職の件については、仕事が面白いのであればぜひ受けてほしいものです。女性の場合、上のランクに上ること自体にあまり魅力を感じません。ですから男性のように「昇進」を推しても乗ってきません。それよりもも「裁量権を持つことができる」ことを力説する方が興味を持ってくるでしょう。これまで部下として命令されて動いてきたことが自分で決められるようになるので、自分の働き方もある程度自由にできる、そんな言葉が魅力的に映ります。キャリアに左右されがちなところも、管理職になれば自分でコントロールできるようになるので、それが結婚への障害にならないことを教えてあげてください。

また、育児中の同僚たちとの交流も必要です。女性だから女性のことがわかるかというと、そんなことはありません。独身者が感じる育児女性に対する不満は、すべて彼女たちの実体を知らないところに原因があります。

退社した後、家事や育児に追われ時間と闘っている子育て女性たちの奮闘ぶりについて、しっかり認識すれば文句は出てこなくなります。もちろん逆に、残って働いている人の残業についての話も然りです。お互いのことを知ることで想像する力が育ち、お互いが思いやる気持ちが生まれます。積極的にそのような話ができる場を提供することが、部署内の人間関係をスムーズにし、引いては生産性の向上にもつながります。

さらには、育児女性の実体を知ることで、ボンヤリしていた自分のキャリアについても、具体的に考えることができるようになります。そうすると、管理職に対する意識も、より具体的なものとして判断できるようになるでしょう。

 

👉今回のPOINT

1.管理職になる女性のメリットは、昇進ではなく裁量権が与えられること
2.キャリアプランへの悩みは、メンター制度で解決
3.子育て女性と独身者がお互いを知る場を提供

 

 

このコラムでは、組織の中で起きがちなミスコミュニケーションを軸に、様々なポイントやコツをお伝えします。ぜひ違いを知って、新しい視点を楽しんでみてください。

そして、女性たちが存分に能力を発揮でき頼もしい戦力となることで、力強い組織となるためのサポートとなればと思います。

 




<阿部博美・プロフィール>

阿部博美
株式会社オフィスat 専務取締役/ハピレボプロデューサー。産業カウンセラー、キャリアコンサルタント。

自称「女ゴコロ翻訳家」。男女の本能からくる意識や行動の違いを、様々な具体的場面に落とし込み、お互いの理解を深め相乗効果を上げることを目指す。企業活動の中では、女性客の本音を翻訳しマーケティング設計に繋げ、組織の中では、お互いの強みを活かし合える風土づくりに繋げている。
現在、女性目線を専門とするマーケティング会社を経営。商品やサービスについてはもちろん、近年は採用ブランディングや女性活躍推進の相談を多く受けている。それらの中で、女性社員や外部の主婦など、女性チームをマネジメントする場も多い。新卒から15年間携わった人材派遣業界での女性マネジメントや、派遣先企業と派遣スタッフとの間での翻訳経験が非常に役立っている。