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【報告】7/4(火)『これからの新しい働き方「副業」について考える』

[公開日] [最終更新日]2017/07/10

【報告】7/4(火)『これからの新しい働き方「副業」について考える』【報告】7/4(火)『これからの新しい働き方「副業」について考える』
7月4日(火)副業をテーマにしたセミナーをサイボウズ(株)にて開催しました。企業の人事担当者を中心に大企業13社、中小企業4社から20名が参加しました。

冒頭、会場を提供していただいたサイボウズ(株)の青野社長からご挨拶いただきました。

続いて、リクルートワークス研究所研究員の大嶋寧子氏より「副業の現状」や副業を巡る社会的背景の変化ついてお話いただきました。

先行研究で「収入を増やしたい」等の金銭的な動機、「活躍の場やつながり、満足感」等の非金銭的動機などによって副業の中身にも差があることが明らかにされている点や、全国の就業者への調査結果から「仕事を通じた成長」を実感した人の割合は副業している人でより高いこと等、具体的にお話いただきました。

【報告】7/4(火)『これからの新しい働き方「副業」について考える』(リクルートワークス研究所 大嶋寧子氏)

 

グラース社労士事務所代表でFJ会員の新田香織からは、企業が副業を容認とする際に必要となる法的留意点、企業にとってのメリット、デメリット、リスク、導入の際に検討する事項などを具体的に説明。

【報告】7/4(火)『これからの新しい働き方「副業」について考える』(グラース社労士事務所代表 新田香織)

 

また、その後のトークセッションでは、(株)HARES代表取締役でFJ理事の西村創一朗も加わり、具体的な事例を交えながら副業導入時の検討事項について話しました。

【報告】7/4(火)『これからの新しい働き方「副業」について考える』(HARES代表取締役 西村創一朗氏)

 

新田より「副業を取り入れることについてメリットはあるか」という質問に対して、西村より「これからの時代は多様な人材が必要。今後会社の経営や事業が危機に直面した時に、副業により一人ひとりが成長した社員がいれば乗り切ることができる。中小企業ほど副業を取り入れるメリットがある。」とコメント。

また、「シニア世代にとってセカンドキャリアを考える機会になる」「職場復帰準備や自己研鑽にとってもプラスになる」等の考え方もある一方で、「個人の倫理的な価値観も求められる」「隠れてではなくオープンに副業をする」等、法的な面だけではなく倫理的な面からも検討する必要があることも指摘。会場からの質問も交えながら活発な議論が繰り広げられました。

また、会場を提供いただいたサイボウズ(株)の中根弓佳執行役員より、最初は副業を禁止していたサイボウズがどのように複業(パラレル/マルチ)を「原則OK」にシフトしたのかを直面している課題も含めて紹介いただきました。中根氏の「個人の自立と上司のマネジメントと同僚とのコミュニケーション、そしてチームにどのように貢献しているか、それをどう評価するかが大切だ。」というコメントには多くの参加者が頷いていました。

【報告】7/4(火)『これからの新しい働き方「副業」について考える』(サイボウズ執行役員 中根弓佳氏)

 

ケーススタディを用いたグループワークでは、参加者全員が積極的に参加。感想も含めたその後の全体共有では、以下のようなコメントがありました。
  •  難しいと思っていた副業だが、コミュニケーションや情報共有をすることにより上手く運用できるのではないかと感じた。
  • 副業を許可した時点だけではなく、継続的なコミュニケーションが必要であると感じた。
  • 経営戦略に基づいたルールが必要であること、また、会社の資産の明確化や情報共有が大切であることがわかった。
  • 会社として副業の目的を明確化することが大切であることがわかった。
 

現状としては、副業の容認を前向きに検討している企業はある一方で、どのように運用したらいいか、労働時間との兼ね合いも含め本業と副業をどのように両立するか等、疑問も多いようですが、今回のセミナーでその疑問を共有し議論できたことに参加者はとても満足だったようです。

 

(文責:ファザーリング・ジャパン理事 林田香織)