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【第4回】大堀正幸さん(株式会社大堀商会 代表取締役)

[公開日] [最終更新日]2017/02/20


イクボス・ロールモデルインタビュー第5回は株式会社大堀商会の大堀正幸さんが登場。住宅リフォーム(外装・内装・外構工事)などを行っている企業です

毎年開催のTOTO販売コンテストでは、新潟県下越地区トイレ販売で2年連続トップの成績。従業員数26名、平均年齢37~8歳の会社です。「ハッピー・パートナー企業(新潟県男女共同参画推進企業)※」としても登録されています。

※新潟県では男女が共に働きやすく、仕事と家庭生活などが両立できるように職場環境を整えたり、女性労働者の育成・登用などに積極的に取り組む企業を登録。


<大堀正幸さんプロフィール>
40歳。大堀商会は2013年度に35周年を迎えた。入社5年目、28歳にして社長となり、よりお客様の住まいを安心かつ快適にするには企業として水道業だけでは対応が難しいと感じ、住宅リフォームをスタート。現在は、新発田市のリフォーム店のトップ企業としての立場を確立。1歳&3歳の子のパパ。

父から受け継いだ会社。父は反面教師だった

安藤:大堀商会は、どんなことをしている会社ですか?

大堀:リフォームの会社です。大学卒業後、父の会社に入社して働いていましたが、28歳で父から受け継ぎ社長になりました。現場管理は古参の部長達が行っていて、当初はダメダメな2代目ボンボン社長でしたね。仕事の仕方自体、とても生産性が悪かった。
そうこうしているうちに、会社がつぶれそうになったんですよ。従業員は離脱していくし、残る人は給料が高い激ボスばかり。生産性もどんどん落ちていったし、メンバーも仕事をやりにくくなったので、激ボスには辞めていただきました。そんな感じでしたから、引き継ぎも大変でしたね。経営、営業、現場管理を一通りやらなくてはならなくなって。資料を引っ張り出して、朝5時から働き、半年間1日も休まない日が続きました。

安藤:ご結婚は?

大堀:30歳で一度結婚し、子どもも2人いましたが4年で離婚しました。仕事が忙しく、帰れない日々が続きました。妻が子育てで息詰まっていることにも全く気づけなかった。そもそも家にいなかったんですから。
今は再婚し、1歳と3歳の子どもがいます。おなかの中で赤ちゃんが育たない胎児発育不全があり、待望の出産でした。それまでは、男は赤ちゃんをお風呂に入れるくらいで良いと思っていたんですけどね。家族に対する思いは、妻に学びました。妻は家族をとても大切にする人で、妻の親と一緒にいる時間も心地いいんですよ。

安藤:お父さんに対する思いは?

大堀:父が創業した会社を20代後半でいきなり引き継ぐことになり、引き継いだ直後はかなり恨んでいましたね(笑)。でも今は自分も経営者になり、尊敬に変わりました。小さい頃の父との思い出は、仕事に一緒に連れて行かれて、車の中で待っていた記憶くらいです。バブル期は毎日飲み歩いて、家に帰って来なかったですし。

子育ての制度よりも風土。率先して見せることが大事

安藤:会社の子育ての制度などはいかがですか?

大堀:基本的に制度はいじっていないんですよ。育休もあるけど、従業員は取らないし取れなかった。そこを、育休はもちろん、家族の行事なども優先しようと従業員に伝え続けました。子どもを病院に連れて行くとか、授業参観とか、三者面談とか、子育てしていると用事や行事も多いですからね。
業務部に女性が4人いますが、家族のイベントにどれだけ参加できたか、スケジュールで見えるようにしています。もちろん、人によってはあまり公表したくない人もいますから、そこは尊重していますけれど。

安藤:その辺の対応は、お父さんへの想いもあるんでしょうか。

大堀:反面教師のところはありますね。3~4歳くらいまでは、ばあちゃんに育てられてましたし、父親に学校行事に来てもらった思い出もありません。従業員の子どもたちには、行事に「親が来てくれた」と言う記憶が残るといいなと思っています。
私も先日、子どもの保育参観があり、夫婦で参加しました。子どもを園に送るために出社時間を遅らせることもありますし、夕方4時のお迎えを担当することもあります。


安藤:時間のやりくりはどうしていますか?

大堀:出社は5時から6時くらい。出張や会合も月半分くらいありますから、子どもを迎えに行かれる時には行くようにしています。家族の時間も大切にしながら、仕事もちゃんとする。両方どうやったらできるか、常に考えていますね。ITがあればどこにいても仕事ができますし。社長は遅く出社する重役出勤というイメージがありましたが、会社に一番に出ていっています。庭や駐車場の掃除もしますよ。

安藤:社長が早く出社していると、従業員が逆にプレッシャーを感じたりしませんか?

大堀:朝型に社風を変えたいという意識はありましたね。午後は生産性が上がらないし、15時以降は仕事したくなくなりますから(笑)。17-18時には必ず帰るようにしています。そうすると、子どもとの時間も取れますから。今の生活サイクルは、本当にいいペースだと思っています。

安藤:今後のビジョンを聞かせてください。

大堀:移動時間や業務そのものの時間を減らせるようにしたいと思っています。ITツールを利用して、全社員にスマートフォンを持たせています。先日サーバーも入れ替えて、スケジュール共有もしやすくしました。
全体で15%労働時間が減ったんですが、売り上げは落ちなかった。つまり生産性が上がったということです。でも、20分早く帰れるくらいでは、従業員も変わったという実感が湧きませんから、もっと「見える化」したいと思っています。
社内でワークライフバランスを実現するための「スマイルプロジェクト」を立ち上げました。「社員がやりがいを持って働き、家庭や地域社会でも多様な生き方を選択・実現できる会社を目指すこと」を目標に掲げています。

安藤:具体的にはどのようなことをしているのですか?

大堀:先日、研修で「自分のワークライフバランスはどのくらい? 5年後はどうしていたい?」と現状の分析と、理想を実現するための課題整理を行いました。具体的に自分の生活をイメージすることが大切だと思います。たとえば毎日30分の時間を勉強に当てたりすれば、1年間では相当な時間数になりますから。生み出した時間を、子育て中でも独身の従業員でも有効に活用して欲しいと思っています。


安藤:見えるようになることは大切ですね。

大堀:3歳以下のお子さんがいる場合は、年間10日間は育休か有給を取ることを推奨しています。その場合は、育児家事レポートを提出してもらっています。レポートを共有することで、大変さや時間の使い方もわかりますから。育児家事で学ぶことは管理者研修を受けさせるよりよっぽどマネジメント能力の学びは大きいと思いますので、費用対効果で考えると、よっぽど安いと思います。


安藤:「イクボス10か条」にあてはめてみると、自分はどうだと思いますか?

大堀:ほとんどできていますかね。

安藤:最後に社員へのメッセージをお願いします。

大堀:子どもはいずれパパやママになるのですから、親からの幸せ感をちゃんと受け取れるといいですね。そのためにも、今育てているパパママ自身が、仕事の中で優秀な人材として育っていきながら、家族の時間も大切にできる生き方をしていって欲しいと思います。

安藤:ありがとうございました!


インタビュー:安藤哲也(ファザーリング・ジャパン ファウンダー)
(筆:高祖常子)


川添 祐樹
川添 祐樹
イクボスドットコム編集長
NPO法人ファザーリング・ジャパン会員