[結果発表] 第二回イクボス充実度アンケート調査

【第23回】林 祥晃さん(損害保険ジャパン日本興亜株式会社 中国保険金サービス第一部部長)

[公開日] [最終更新日]2020/06/13



イクボスロールモデルインタビュー第23回は、「イクボス企業同盟」に加盟し、ダイバーシティを「グループの成長に欠かせない重要な経営戦略」と位置づける損害保険ジャパン日本興亜株式会社の林 祥晃さん。

現在広島に単身赴任中で、中国保険金サービス第一部部長として約400名の部下を率いる。家庭を顧みず“超”長時間労働に明け暮れる日々の中、妻から放たれたひと言をきっかけに働き方を改め、障がい者支援活動を通じノーマライゼーション、ダイバーシティの発想に出会った。

自らの体験を通じ、若手社員に「広い視野をもち、仕事以外のことにも積極的に取り組んでほしい」と力強いメッセージを送りつつ、“元祖イクメン”として単身赴任中の現在も「2~3週間に一度は帰省し自宅の家事全般を担う」という林さんに、イクボス的価値観について伺った。

〈林 祥晃さんプロフィール〉

損害保険ジャパン日本興亜株式会社 中国保険金サービス第一部 部長。1988年入社後
横浜、高松、労働組合(東京)、旭川勤務などを経て、2015年4月より広島に単身赴任。妻、現在22歳、19歳、16歳の子どもとの5人家族。小学校2年から水泳を始め、大学でも体育会水泳部に所属。関東学生選手権では鈴木大地氏と泳いだことも。目標とするのは64歳でキューバからフロリダ海峡の横断に成功したアメリカの遠泳選手、ダイアナ・ナイアドさん。「彼女の生き方を見習い、人生のピークを70歳くらいに持っていきたいですね。今はその準備期間です」。

「あなたが会社を辞めて、育児や家事をやってほしい」
妻の言葉をきっかけにイクメンの道へ

安藤:今日はよろしくお願いします。林さんは立教大学卒業後1988年入社ということで、僕と同世代ですね。当時の働き方はいかがでしたか?

林:入社後は横浜に赴任し、しばらくは事故対応の仕事に従事し、その後労働組合の役員をしていました。当時は一般的な金融機関に勤務する人の働き方そのもので、徹夜もありましたし睡眠時間は常に2~3時間という“超”長時間労働。ワークライフバランスの「ワ」の字もなかったですね。疲れがたまって目の周りが真っ黒になり、妻からも「あなたこのままだと死んでしまうわよ」と心配されていました。


安藤:ご結婚は何歳の時ですか?

林:26歳です。横浜の後高松に赴任し、1993年に一人目が生まれました。
安藤:“超”長時間労働の中、育児には関わっていたのですか?

林:当時の当社の社員は私を含め皆ワーカーホリックで、高松でも日々残業の連続でしたので、育児にはほとんど関われませんでした。妻はもともと仕事をバリバリこなすタイプの女性だったのですが、結婚して専業主婦になり、知らない土地で家事や育児を一人で担っていたわけです。私だけが長時間働いて家庭を顧みないことに憤っていたようで、ある時、「だれも『出世して欲しい』なんてお願いしていない。こんな状態なら私が稼ぐから、あなたが会社を辞めて代わりに家事や育児をやってほしい」と言われました。

安藤:奥さんにそこまで言われたら逃げ場がないですよね。それでどうされたのですか?

林:妻の切実な声を聞き、これまでの日々の過ごし方を改め、仕事が忙しくても育児にかかわろうと心を入れ替えました。小学生の頃からずっと水泳をやっていて体力には自信があり、睡眠時間が減るのは平気だったので、子どもが夜泣きをしたらぱっと起きて抱っこしたり、毎朝子どもをお風呂に入れたりしていました。高松なので近くにうどん屋さんも多く、離乳食の時期には子どもをベビーカーに乗せて近くのうどん屋さんに行き、食べさせたりもしていました。当時はこの程度の育児参加でも、周りからは「すごいですね」などと感心されていましたね。

安藤:その頃は、イクメンなんて概念はなかったですからね。でも、高松で初めて子育てを経験して、「ライフ」の大切さに気づいたのですね?

林:そうですね。妻はもともと、今でいう男女平等の意識が高く、「妻と夫がバランスよく育児をする」「父親が家庭で存在感を見せないと、子どものためにもよくない」という価値観を強くもっていたのです。妻の影響を受け、育児や家事を実際に担ってみると、肉体的にはそれほど大変ではないのですが、あれこれこなしているうちにあっという間に時間がたってしまう。専業主婦の大変さを実感しました。
その後二人目、三人目と生まれるうちに妻からの要望も加速し(笑)、3人目の子が幼稚園に通い始める頃には、毎朝の子どもたちの入浴に加え、ゴミ出しや皿洗い、掃除などの家事、週末には家族の食事も作るようになりました。妻のほうも、子育ての大変な時期が落ち着いたタイミングで、カナダのライアソン大学でファミリーライフエデュケーターという資格を取得し日本各地でセミナーや講演活動をスタートさせました。

(島津さん)

島津(人事部 ダイバーシティ推進グループ 課長代理):当時「妻は専業主婦、夫は仕事」といったご夫婦がメジャーだった環境の中で、林さんのような男性社員はめずらしかったと思うのですが、周りの反応はいかがでしたか?

林:当時は16世帯ある社宅に住んでいたこともあり、仕事が忙しいはずの私が育児や家事と積極的に向き合っていることは皆に知られていました。と同時に、このような私の行動は、周りの、特に管理職の男性社員からひんしゅくをかってましたね。

島津:ひんしゅくを?

林:お前はなんでそんなこと(育児や家事)を張り切ってやっているんだ。(お前のせいで)自分も育児や家事をやらなきゃいけないような空気にさせられて迷惑だって(笑)。

安藤:ファザーリングジャパンを立ち上げたのは2006年なのですが、当初、周りの男性数名から「余計なことするな」といわれました(笑)。それと同じですね。これまで“やっていない人”からすると、“やっている人”が出てくるとおしりがもぞもぞしてきて居心地が悪くなるような感じなのでしょうね。FJで10年活動してきてようやく、男性が育児や家事をやるのは当たり前になってきたと思います。僕自身も、家事をやるようになったことで段取りや優先順位などを必然的に考えるようになりました。「あ、こういうことか」みたいな気づきもあり、それが仕事にも生きることもありましたけど、林さんはいかがでしたか?

林:そうですね。おっしゃる通り、限られた時間の中で複数のことをいかに効率よく進めるかというのは、仕事にも十分生きてくると思いましたね。
ちなみにその後もわが家では、私が担う育児や家事が定着化していきまして。2015年4月からは広島に単身赴任しているのですが、今でも2~3週間に一度は東京の自宅に帰省して料理、洗濯、掃除と何でもやっています。

相対的に不利な立場に置かれている社員に徹底的に注目する

安藤:すばらしい! イクボスの林さんは、“元祖イクメン”でもあったわけですね。ではここから、イクボス的価値観についてお伺いしていきます。イクボスとは、“子育てだけでなく、介護、病気、障がい、LGBT(性的少数者)、外国籍などさまざまなことを抱えている部下一人ひとりに配慮し育てられる上司”を指しますが、部長としてご自身で心がけていることはありますか?

林:うちみたいな会社は、昔から、いわゆる“優等生の集団”のようなところが多々あると思うのです。同じようなタイプの社員が多数存在するのではなく、たとえば小学校のクラスをのぞくと、わんぱくな子、引っ込み思案な子、優秀な子、リーダーシップのある子など、さまざまな子がいますよね。このように、性質が違う多種多様な人々が存在する、今でいうダイバーシティの推進を図っていきたいと思っています。そして、当社が世間一般と同じようにさまざまな人が幅広く存在している会社となれるよう、微力ながら貢献していきたいと思っています。

安藤:そう思われるようになったきっかけは?

林:横浜、高松に勤務していた頃、知的障がい者のボランティア活動に携わる機会があり、障がいをもつ人ともたない人がともに生活する社会の大切さを実感したのです。純粋無垢な彼らと接して一挙に視野が広がり、人間に幅ができたような気がしました。妻もこのような発想が強く、知的障がい者だけでなく「ホームレス」支援のボランティアに参加したりしていました。なりたくてなったわけじゃなくて、世の中についていけなくて、結果として「ホームレス」になってしまった人を支援する。そこに必要なのはやはり、“配慮”ですよね。このような活動を通じて培われたノーマライゼーション的な思想が、今申し上げたダイバーシティ推進の意識の源になってきているような気がします。

安藤:なるほど。

林:管理職になり部下をマネジメントするようになってからも、メンタル的な理由で会社を休む人や仕事でなかなか頑張れない人、病気を患っている人など、相対的に不利な立場に置かれている社員にできるかぎり光をあて、徹底的に注目し、全身全霊をこめてコミットするよう意識してきたつもりです。でも、周りの部下からは結構文句を言われましたよ。自分たちに比べ、頑張れていない人をそこまで過保護にするのは納得いかないって。

安藤:普通に夜遅くまで働いている人から見ると、そうでない人は怠け者に見えてしまうのですよね。

林:そうです。でも、自分の中に確固とした持論があるので、部下から「なんであの人をかばうのですか?」と聞かれた時は、「結構ハードな仕事だから、つらいことも多いんだと思うよ」などなるべく丁寧に答え、ノーマライゼーションの価値観をできるだけ広めようと意識してきました。

安藤:ご自身で障がい者支援に関わった時の経験が生きているのですね。人間、弱ってくるとなかなか自分からいろいろなことを発信できなくなるし、会社組織の中で自分から突破していく力も出せなくなるものです。そんな時、直属の上司が自分のことを見ていてくれるというのは、その人にとってすごく心強いことだと思います。

林:そうですね。そこはかなり意識しています、というか、自分のポリシーですね。

安藤:今おっしゃったこと、すごく大事です。イクボスの活動をしていると、「どうすればイクボスになれるのですか?」と、ノウハウを聞かれることがあるのです。でもそうではないですよね。イクボスは、人から聞いたり教えてもらったことをそのままやることではない。そもそも大切なのは、ヒューマニティとかフェアネスなどの心構え、つまりポリシーなんです。

島津:イクボスの観点から、部下に対して、どの様な指導をされているのですか?

林:私のポリシーとして、自分から能動的に「こうしろああしろ」と指示や命令をするのはいやなのですよ。部長という役職柄、いろいろな会議などに呼ばれて人前で話す機会はたくさんありますが、基本的には挨拶だけで、指示や命令はほとんどしないですね。最近では、直属の部下である課長に対しても、「(余計な)仕事をしない勇気をもとう」と言っています。部下に対しては余計なおせっかいをせず、相談を持ちかけられたときにまっさきに答えることを徹底するように伝えています。
ダイバーシティの観点からは、当社の女性初の管理職だった方の活躍を間近で見てきて、部下の女性社員をマネジメント候補者として指名するなど、女性活躍推進にも積極的にコミットしてきたつもりです。

自ら積極的に「イクボスやってます」とアピールするのはナンセンス

安藤:島津さん、林さんの部下からの評判はいかがですか?

島津:過去に、全社員による「自身の成長に最も影響を与えた上司」の投票を行い、得票数上位である社員を「人材育成マイスター」とする社内認定制度があり、林さんはその中の一人として選ばれました。林さんはご自身が先ほどおっしゃった通り、自分から積極的に「イクボスやっています」という話はしないと思うのですが、言葉ではなく、働く姿や部下と接する姿で伝えているのではないかと思います。

安藤:その辺が、女性社員からも信頼される理由なのでしょうね。

島津:林さんは「ライフ」も充実しているので、一緒の職場にいる部下の皆さんにも伝わるのだと思います。

安藤:女性社員はそういうことを敏感に感じとりますから。

林:そうですかねぇ。現在部下は約400人いますが、私の顔と名前が一致しない社員も多いと思いますよ。先日、ある飲み会の時も、偶然同じ店に居た女性社員二人のうち一人は「あ!部長だ!」と私に気がついてくれたのですが、もう一人は私のことを知らなくて。「え?誰?初めて見た」と言われましたから(笑)。

安藤:400人もいるとそうなります。

林::本当は一人ひとり全員と面談をした方が良いのかもしれませんが、いろいろと迷った結果、あえてやらないでいます。その方が課長もマネジメントがしやすいかなと思いまして。

安藤:なるほど。そのへんの距離感がいいですね。現場の部下とはあえて密にはコミュニケーションをとらず、直接の部下である課長とは常にコミュニケーションをとられているということですか?

林:そうですね。課長に対しては、毎日さまざまな情報を与えてコミュニケーションを密にとり、できる限り仕事がしやすい環境を作ってあげようと意識しています。

安藤:部長が先に帰って、課長が残っている日もありますか?

林:ほとんどそうじゃないですかね。課長は忙しいですから。部長になると、仕事が好きな方は残業する人もいるようですが、私は大体6時半くらいには上がって泳ぎに行ったりしています。

安藤:この年代の管理職には「部下が頑張っているのに自分は帰れない」っていう人も多いのですが、それはないですか?

林:ないですね。昔、自分が若かった頃、いつまでも残っている上司に対して、心の中で「早く帰ってほしいなぁ」って思っていましたから(笑)

広い視野をもち、会社以外のことにたくさん取り組んでほしい

安藤:それはいいですよね。自身の健康にもいいですし。ところで損保ジャパン日本興亜は、イクボス企業同盟に加入し、全社的にイクボスを推進しているのですよね?

島津:はい、推進しています。ただ、イクボス的発想が、管理職の方々の間で“自分ごと”として認知されているかといったら、まだまだ道半ばです。今後は「生産性をあげる」という部分によりスポットを当て、「会社としての生産性を高めるためには、今のマネジメントを変えていかないといけない」というメッセージをどんどん発信していきたいきたいです。ダイバーシティは「女性のためだけの施策」ととらえている方もまだいると思うのでそうではないことを伝えていかなければならないと思っています。

安藤:そうですよね。これからは、育児だけでなく親の介護の問題なども出てきますからね。介護に関わる社員のケアも大変ですし、大切ですよね。

林:そうですね。私はまだ介護の経験はないのですが、介護はそろそろわれわれの年代も、絡んできますからね。

安藤:そう、イクボス的マネジメントは、育児のためだけの支援ではないですから。ある日突然自分の親が倒れたりすると、その日からもろ介護の当事者になりえますからね。

島津:当社でも介護セミナーを2014年度から開催していますが、男性社員の参加も増えています。


安藤:イクボス企業同盟には、育児、介護といったライフプランと深く関わりのある保険会社さんもたくさん加盟していただいているのですが、中でも御社の取り組みには期待しています。会社の中で、イクボスの価値観を浸透させ、本物のイクボスをもっと増やしていくためには、林さんのような方がロールモデルとしてどんどん前に出て、発信して欲しいと思います。

林:そうですね。私が適当なロールモデルかどうかはわかりませんが、「自分もちょっとトライしてみるかな」と思ってもらえるようなきっかけになればいいと思っています。

安藤:ワークライフバランスのきっかけは、会社の中だけにあるわけではない。家庭にあるかもしれないし、会社の外のどこか違う場所にあるかもしれない。FJの父親向けセミナーでは育児をすることでいろんなことに気づくよ、世界が広がるよって話をするんです。そしてパパが育児や家事を自ら取り組むようになると、そんな家庭環境の中で育った子どもたちが大人になり家庭をもった時に、夫婦、家族として育児や家事を共有できるようになる。林さんも、お子さんたちが将来家庭を持った時、「自分たちがやってきたことは正しかった」ということを実感されると思います。

林:そうですね。うちの息子ふたりは私の姿をずっとみてきていますから、おそらくそうなるかもしれませんね。(笑)

安藤:わが家も息子が二人いるので、彼らに毎日言ってますよ。「人生楽しみたいなら、今から家事はやっていたほうがいいぞ」って。これからの男子は家事やるのが当たり前だし、やらないとまず女性から好かれないですから。ところで、損保ジャパン日本興亜さんはボランティア休暇はありますか?

島津:はい、あります。

安藤:ボランティア休暇を取得したら、人事考課があがるシステムなどがあるといいですよね。とある会社は、社員がセミナーやボランティアに参加するとポイントがたまり、人事考課につながるというポイント制を取り入れています。

島津:確かに、ポイント制だとわかりやすいですね。当社はCSRの一環で、全国各地でボランティア活動も推進していますが、大切なのは自ら進んで手を挙げ、視野を広げていくことだと思います。

安藤:そうですね。そこが、新しい分野への興味につながりますから。僕もIT系の会社の管理職だった時、部下たちに毎日朝礼で言ってました。「オフィスでパソコンだけ見てたって何もないぞ。街に出なさい。今の仕事に一見関係ないことでも、気になることがあったら翌日報告を。それが5年後にビッグビジネスになるかもしれないから」って。

林:その通りですね。自分から会社の外に出て、こういう人がいるのだ、こんなことがあるのだということに、どんどん気づいてほしいですね。

島津:当社は、「保険の先へ、挑む」をスローガンに、介護分野への事業展開など実際に新しい分野のビジネス展開も始めています。当社のさらなる発展のためにも、社員一人ひとりが会社だけではなく会社の外に向かってアンテナをはりめぐらせ、新しい価値観をインプットし、それを仕事に活かして欲しいと思っています。同時に、社員の皆さんに、このような会社の変革にどう気づいてもらうかを考えていくことも大切だと思っています。

安藤:変革し始めている会社のムードをチャンスととらえ、つかみにいってほしいですよね。

林:全くその通りですね。

<イラスト:東京新聞>

安藤:イクボス10か条のひとつである「隗よりはじめよ」ではないですけど、林さんのようなイクボスから率先して示していくことが大切ですよね。最後に、イクボスとしてたくさんの部下から信頼されながらも長年育児や家事に積極的に向き合い、奥様はじめ家族からも信頼されている林部長から、若い部下へのメッセージをお願いします。

林:若い人たちに対して「こうしろああしろ」とはあまり言いたくはないのですが、やはり、できるかぎり、広い視野をもってほしいと思います。会社を飛び出していろんなことを経験していくと、一般的には大企業であるうちの会社も、世の中のごく一部に過ぎないこと、世の中ではいろんな人がいろんなことをしているということに気づくと思うのです。

安藤:本当にそうです。個人のその気づきが、結果的に会社のためにもなるし、世の中のためになる。林さんはボランティア活動から「ノーマライゼーション」に気づいて、「ダイバーシティ」の発想を手にした。僕もそうでしたけど、若い頃ってどうしても、仕事一辺倒になってしまって視野が狭くなってしまう。でも父親になって、子どもをもち、育児や地域のPTA活動などに関わってみたら、「なるほど、地域ってこうなんだ」「子どもを通して見ると、日本の社会は改善の余地がまだまだたくさんあるな」など、実にたくさんの気づきがありました。仕事以外のいろんなことを経験しないとだめですよね。そのためにもワークライフバランスが必要だと思います。

林:そうです。若い人たちには、会社以外のことをたくさんやってほしいですよね。今の若い人だったら、運動などの趣味や、子どもがいる方だったら育児に関わったりなどは当たり前かもしれませんが、家事やボランティアなど、もう一歩ふみこんでほしいと思います。そうすると、視野がすごく広がりますから。私もそうやってきて、今の自分があると思っています。

安藤:限られた「時間という資源」を、どれだけ自分の視野を広げるための活動に使えるかということですね。今日はとても良いお話をありがとうございました。これからの林さんのご活躍、損保ジャパン日本興亜さんの取り組みにますます期待しています!


(筆・長島ともこ)